「ライフハック」
出典元、IT系から生まれた、仕事に生活や生かせる便利なテクニックの名称。分かりにくい、イカした表現。
「ハック」と言われると「ハッカー」を連想するし「ハッカー」と言われると技術はあるものの人のものを盗み見る悪い人の様に聞こえるのに、それを「ライフ」と繋げたものだから気持ち悪い印象を残す謎の言葉。アメリカで生まれた言葉なので、日本で得意気にサイト名に使われていたりすると「俺、クールな用語を使いこなしてるんだぜ」的な意識高い系の感じがして鼻に付く。まずは「ライフハック」の意味を説明しろよと。
意味としては「仕事術」、「裏ワザ」、といったところだが、IT系のいい意味で「凄腕ハッカー」たちが使っていた、仕事上のとにかく凄い技術や豆知識を、生活の面でもこういうものが使える、と広げていったものなので、「ここまでがライフハック」といった壁があまりない。もちろん便利な情報なので仕事でも生活でも非常に有用である。ただやはり用語としての知名度と「ハック」の悪い印象のせいで、10年以上前からある言葉なのに未だにこのぐらいの知名度な事を考えると、日本ではこれ以上の用語としてのシェアの広がりは難しいのかもしれない。元から「IT業界のみで使われる言葉」というものはあったので、これからもそんな立ち位置にずっと立っていそうな用語ではある。「クラウド」ぐらい、日本人に知名度のある英単語を使って、内容とイメージが結び付きやすい名前を選んでいたら良かったのにね、と思うがアメリカ人が考えた上にもう広まっているのでどうしようもない。
しかし内容としては便利である。テレビ的に言えば「伊東家の食卓」の「日常で使える『裏ワザ』」、ネット的に言えば「知らない人は損してるなあと思うこと」なのでそりゃあ便利に決まっている。用語がアメリカから来て、IT系から広まっていっただけでつまりは「裏ワザ」、「豆知識」なので普通に便利である。こういう買い物の仕方なら安く済むとか、こんなカードの使い方をしているとお金がもったいない、みたいなネタなら主婦などでも節約に直結するので、本当に伊藤家的な便利感を味わえるだろう。もちろん本来のIT系の技術もあるのだが、今はもう生活関連の情報が増えて来ているかもしれない。本来ならネタも尽きるだろうところ、時代は進んでいるので、新しいサービスや技術に対する新しい「ライフハック」があれば、それがまたネタになり、こうやってずっとなくならないのだろう。
とはいえやっている事は上にも書いた通り「裏技」であり「豆知識」である。テレビでもネットでもSNSからでもいいが、入って来た便利な情報がある意味全部「ライフハック」なので、やはり、わざわざその用語を使っているだけで大昔から人と人との間でやり取りされていた情報を、名前を変えて言っているだけの様な気もする。「便利な○○」として「○○」のところに小さな意味から大きな意味にして行くと、「豆知識」、「裏技」、「ライフハック」、「Google」、「インターネット」、だろうか。そう言ってしまうと元も子もないが。ただの分かりにくい、新しくもない造語である。