言の葉の魔力

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表現

「形から入る」

投稿日:2018年6月19日


「形から入る」

出典元、日本語の表現。これを始めよう、と決めたのに踏ん切りが付かない時に有効な方法。

趣味のない人というものがいるが、男性で仕事人間だったりすると休みの日に暇を持て余す事になる。もちろん、結婚して家族がいるなら家族サービスをすればいいし、深刻に疲れ切っているのならあえて動く必要もなく、休日は本当に休めばいいだろう。とはいえずっと寝てる訳でもなく、横になってテレビぐらい付けているだろうし、「無趣味無趣味」言っている人の大半は趣味がテレビだとは思うが、まあ「趣味はテレビを見る事です」と言われないぐらいテレビは生活に溶け込んでいるのだろう。たまにそれがラジオの家庭もあるが。しかし映画観賞、音楽鑑賞は趣味になるのに、テレビ観賞は趣味にならない。あまりにもみんな見ているものだから「へぇー、テレビ見るんだ」と言われる事がない。いや実際は最近はテレビを見ない人も増えて来ているので嫌味としては存在しているフレーズだが、まあ一般常識として「趣味はテレビです」とは言わないだろう。それを言うと普通は、「そういうんじゃなくてもっとないの?」と返されてしまう。

ので、たまに”趣味を持つために探す”というよく分からない現象が発生するのである。そもそも趣味とは自然に自分が好きになって行き、好きだから続けて行くものである。たまたま聴いた音楽で、「あ、この人いいな」と思ったらCDを買い、知り合いに同じ歌手が好きな人がいたら一緒にコンサートに行く、そして新曲を追い続ける、などが自然な展開である。オタク系の趣味は基本的に子どもに対するアピール度が高いので、小さい頃から親しんでいるとそのまま続けるだろうし、場合によってはそのまま勉強してその業界に入っていく事もあるだろう。漫画もアニメもいくらでも新しいものが発表され続けているのである。

となるとやはり、無趣味人間というのは仕事人間に多く見られると思われる。そして定年を迎えその仕事がなくなると、途端にやる事がなくなってしまう。もちろん、バイタリティ溢れる人ならそれまでの経験を生かしてもっと働いたり、個人でやれる範囲で、その業界のちょっとした仕事を手伝ったりと動ける限り仕事を使命として生きるだろう。しかしそういう事の出来る仕事ばかりでは無いし、定年退職したならやっぱりいい歳だし休みたい、という思いもあるだろう。「やっと好きな事が出来る!」。

その好きな事がないのが問題なのである。

そして周りに聞いて回る。なんか良い趣味、ないですか? と。そういう風に始めるのは正式な意味では趣味ではない。しかし姿勢は評価しよう。このままだと趣味がテレビになってしまう。せっかく定年まで働いて、それなりに貯蓄もあり、よし、「じゃあ登山を趣味にしよう」とか、「ゴルフを始めよう」とか、「陶芸を始めよう」とか思うのである。なんか昔ちょっとかじった事あるし! とかだと傾きやすい。しかしそういう、取って付けた様な思考の流れで始める趣味は、……始めようと思う趣味は、とにかく腰が重くなる。”とにかくやりたい”ならガッツケるが、”やろうと決めたからやる”だとガッツケないのである。

そういう時に使える有効な手段の一つが、「形から入る」である。昔ながらの手法である。登山を例に挙げると、まずネットなり雑誌なりから情報を集める。専用の靴が必要だ、ザックが必要だ、持って行く物は必須アイテムだけでもかなりある。それをもう買ってしまう。もちろん結構お金が掛かる。しかし買ってしまった以上、これで行かなければそれは無駄になってしまうので、背中を押す効果がある。それでも上がらない腰もあるが、なるべく高級な物を買ってしまうと威力は増す。当然の話である。「もったいないオバケ」とも言うが、買って腐らせていたらお金を捨てたのと同じになってしまう。なので「形から入る」という手法は、第一歩を踏み出すキッカケとして大きな力を発揮するだろう。

そしてこれは別に定年退職者だけの話でもなく、趣味が既にある人の多方面展開にも言える部分がある。例えば学生で趣味でイラストを描いている人が、今まではフリーソフトで描いていた。でもこれからもっと高度なスキルを身に付けて行きたいし、将来的に「フォトショ」や「イラレ」を使えたらいいだろう。しかし買うと高い。し、か、し、今ならアカデミーパック、学生料金で買える。学生にとってはかなりの高級商品とはいえ、実際学生の今なら安い事は確かなのである。そこで将来への投資として、バイトなどで貯めたお金をそこへ注ぎ込めるなら、心掛けとして、かなり前向きにそちら方面への道が拓けるだろう。買ってからちゃんと学習するかが肝なのだが、相当身を切っているし、「形から入っている」ので、その効果は非常に高いだろう。

-表現

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