「我忘れて貪れるもの」
平成27年1月19日火曜日、ラーメン二郎 桜台駅前店、小ラーメン+生たまご+生たまご ニンニク 800YEN
天地返していただきます、ウッメェェッ!
完飲確定ッ!
クニュ麺、プリブタ、ミルキィ汁ッ!
我忘れて貪れるもの。
完飲。 pic.twitter.com/zSmPJZDdX4— habomaijiro (@habomaijiro) 2016年1月19日
出典元、habomaijiro(@habomaijiro)氏のつぶやきより。もしかしたら初出では無いのかもしれないが、その前提で書く。
現在、世に多数ある「ラーメン二郎」食べ歩きブログ。もちろん他のSNSでも存在しているが、ツイッターでも盛況である。これらの人たちは写真を添えてツイッターにアップしているので、たくさんフォローするとタイムラインが彩られ、カロリー的な意味で深夜閲覧の危険なツイッタータイムラインとなるだろう。
さて、現在はかなり増えて来ているが、第一人者と言ったらこの人だろうか。ツイッターの前は「康太ブログ」という名前のブログで公開していた。毎日の様にラーメン二郎での食事をブログにアップしていて、2013年は387杯と書いてあるので一日一杯を超えている。しかし別にラーメン二郎の関係者でも著名人でもないただの一般人のため、「ラーメン二郎食い」界隈での有名人、という形だった。2013年末にブログの更新は終了し、その後しばらくしてから公開の場をツイッターに移行して、また怒濤の更新ペースで続けていた。ツイッター名は「habomaijiro」だが、「康太ブログ」をやっていた人なので康太康太と呼ばれている。ちなみに「こうた」ではなく「やすた」らしい。
ただ、なぜこの人がそこまで有名だったかというと、その感想の特徴的な言葉遣いにある。
平成27年1月19日火曜日、ラーメン二郎 桜台駅前店、小ラーメン+生たまご+生たまご ニンニク 800YEN天地返していただきます、ウッメェェッ!完飲確定ッ!クニュ麺、プリブタ、ミルキィ汁ッ!我忘れて貪れるもの。完飲。
こんな感じである。ちなみに生卵を2つトッピングするのが得意技である。
平成28年1月2日土曜日、ラーメン二郎ひばりヶ丘駅前店、ラーメン ニンニク 700YEN
麺、ウンメ~ッ!プルと柔らか味染みたひばり麺。
汁、神域ィ!!一口啜れば心躍る、メッチャ興奮ひばり汁。
ブタ、トロと柔らかなもの。
完飲。
いろいろあるがやはり、「~なもの。」が特に特徴的である。真似したくなる口調と言わざるを得ない。こんなつぶやきをしていて、噂によるとシュッとしたサラリーマン風の男性だという。い、イメージがつかめない……。ちなみにこの様に死ぬほどラーメン二郎の感想を書いているが、たまに感想部分が書かれていない時もある。その一杯はそれほど美味しくなかったのだろう。愛するものを貶めない優しさ。行間を読む力も大切である。
そして2016年2月、業界に激震が走る。以下、habomaijiro(@habomaijiro)より引用。
アクシデント発生の為、二郎巡りが困難な状況となりました。
このお報せを以って更新を終了します。
ありがとうございました。Fin
アクシデント発生の為、二郎巡りが困難な状況となりました。
このお報せを以って更新を終了します。
ありがとうございました。Fin
— habomaijiro (@habomaijiro) 2016年2月13日
なにが理由でアクシデントが発生したかは誰でも分かるところだが、本人が書かないこの優しさッ! 敬意を表するに値する姿勢である。愛するものを貶めない優しさ。そして潔さもあり、毎日の様に更新されていたツイッターの更新はパッタリとストップした。これはさすがに「ラーメン二郎食い」界隈で話題になり、ネットニュースにもなったほどである。ただのラーメンを食べてアップしている一般人が、ここまでの事になったのだ。
……その後、康太の消息は不明だが、その精神は意外なところで受け継がれている。それは、「康太口調」である。「ウンメ~ッ!」や「完飲確定ッ!」などであるが、やはりこれだろう。
「我忘れて貪れるもの」
康太がいなくなったSNS界隈であるが、未だに使われ続けている。というか康太の口調ごと真似したキャラが増殖しているというか、まあラーメン二郎自体、いろいろと真似したくなるテンプレートがあるのでそこに乗っかってしまったのだろう。面白い現象であるが、人は居なくなっても言葉は残る、それを地で行く現象だった。ただのラーメンなのにえらい事になったものである。