「なんということでしょう」
出典元、テレビ番組「ビフォーアフター」より。リフォーム後のナレーションの決めゼリフ。
CV:加藤みどり。ん?
「ビフォーアフター」は、家のリフォームをテーマにした番組である。正式名称は「大改造!!劇的ビフォーアフター」。不便を感じている家のリフォームを「匠(たくみ)」と呼ばれる建築家にお願いし、リフォーム前とリフォーム後でどう変わるのかをテレビで見せる番組である。番組が予算を出してくれる訳ではないので、家主が自分のお金で行うリフォームをテレビで公開している、……にも関わらず演出上の都合により計画と施工の時点で内容は知らされず、結果をサプライズ形式で見せられるという、なかなかデンジャラスな形態を取っている。
細かいところを言うと、あの番組で「匠」はデザイン費を取っていないため、番組で紹介される替わりにデザイン費を掛けずに高名な「匠」にリフォームをお願い出来るという、交換条件になっているらしい。「匠」からしても建築家としての自分をテレビで売る格好の場なので、だからあれだけぞろぞろと「匠」が現れるのだろう。「匠」は一般用語だが、今現在「匠」と言えば「ビフォーアフター」を連想してしまうほど、この番組の影響は大きかった。
家のリフォームという時間の掛かる工事をテーマとした番組にも関わらず、驚くべき事にしばらくの間は毎週放送されていた。さすがにそれがきつくなってからも不定期放送、つまりスペシャル番組化し、またストックが出来てからは毎週放送に戻ったりしている。現在は不定期放送だが、それだけ人気の番組という事だろう。「匠」の素晴らしい技術を見るのは興味深いし、その家族の驚くさまを見るのも微笑ましいし、大変な事になっちゃった案件も他人事だと面白い。
そのリフォーム後のクライマックスに使われているのがこの「なんということでしょう」である。特徴的な改造や便利な機能などに対して、映像と同時にこのナレーションが被せられる。おお、これは凄い、
「なんということでしょう」
良い意味での驚きのセリフで使っているが、しかしよく考えると「なんということでしょう」には驚きの意味しかないので、考えようによってはポジティブにもネガティブにも捉えられる。すなわち、
「なんということでしょう!」(これはひどい)
「なんということでしょう!」(ドン引き……)
「なんということでしょう!」(なにやっちゃってんの!?)
などにも当てはまる。ネット上で語られる公衆便所風住宅など有名な”やっちゃった案件”で家主がドン引きしつつも「まあ、こういうのも、ありなのかな……」というリアクションを取っているところを見ると、
「なんということでしょう!」(なにやっちゃってんの!?)
が非常に綺麗に当てはまる。この決めゼリフが「これは素晴らしい!」といったポジティブを前提としたフレーズでなかったのは、もしかしたら”やっちゃったパターン”の可能性も想定してどちらにも捉えられるフレーズにしてあったのかもしれないと思いそうになるが、……んなこたぁない。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。