A「つかWiiコンって振動機能ついてんのな」
B「干渉しないからな、、、特許と。」
出典元、どこかのゲーム系掲示板より。どこかの二人のやり取り。
「シビれる~っ」といえば広末涼子の「スターフォックス64」のCMである。シビれる原因はニンテンドウ64の振動パックである。振動パックでしびれちゃう。コントローラーに並々ならぬこだわりを持つ任天堂が、今では常識となっている振動機能を初めて付けたのがニンテンドウ64だった。3Dスティック、ゲームによって持ち方を変えられる形状、そして振動パックを付けられる拡張性、しかしハイテク機器に似合わぬおもちゃっぽい外見と、ニンテンドウ64のコントローラーはまさに任天堂らしさ満載の芸術作品だった。
ゲームで何かアクションがあった時に合わせてコントローラーが振動するというのは、臨場感を上げるために非常に効果的だった。単に敵を倒してドカッと揺れる時だけでなく、近くに何かヒントがある時に小さく揺れたり、ホラーゲームで背後から敵が迫っている時に独特の振動で恐怖を感じさせたりと、用途の幅が広い。そんな訳で、すぐさまプレイステーションもデュアルショックといって真似したし、セガもマイクロソフトも真似していた。ユーザーにとっては、そりゃそうだ実装してください、ちょっとさすがに標準装備でいい重要機能でしょこれは、と思うところだが、ここで特許問題である。話はややこしくなるので細かくは書かないが、今出て来たゲームメーカー以外の第三者も特許を持っており、仕組みやタイミング的に任天堂は問題なかったのだが他メーカーは特許侵害状態で裁判にまで発展してしまった。
セガはどちらかというと任天堂寄りの仕組みだったため、任天堂に許可を得てというかお金を払いOKをもらい、事なきを得た。そもそも当時の機種であるドリームキャストは任天堂の十字キーを使っていた気がする。長年のライバルだけあって、認め合い、助け合うところもあったのだろう。お金は取ってただろうが。マイクロソフトは、第三者メーカー側の特許だったので裁判になったが、金ならうなるほどあるのでドーンと払ってとっとと解決。そしてソニーである。満を持して発売の「プレイステーション3」には、……裁判中で振動機能が搭載されなかった。すぐ後に出た任天堂「Wii」、こちらはもちろん振動する。そこでこの会話である。
A「つかWiiコンって振動機能ついてんのな」
B「干渉しないからな、、、特許と。」
特許持ってるし。そろそろゲーム機のコントローラーも無線になって来た頃だったので、ブルートゥースなりが干渉……、という話ではもちろんない。先にも書いた様にユーザーとしては標準装備でいいぐらい慣れちゃったんだからとっとと和解でもしてデュアルショック復活させてよ、というところであるが、こちらは裁判が長引き、しばらく振動しなかった。仕様としてコントローラーが対応していないのだからソフトも対応していなかったと思う。機会損失というか、期待喪失というか……。結果から見ればマイクロソフトのようにとっとと和解してお金払えば、ユーザーががっかりする期間短かったのにね、というのが周りの感想だろう。結局さんざん粘ったあげく、マイクロソフトのようにお金を払ってデュアルショックは復活した。
プライドを捨てる勇気も必要である。どう見てもパクッてるのだから。