「主婦なのに料理が下手な人と中学生だけど料理上手い女の子がいたら中学生のほうのを食べるだろ」
出典元、2chスレ「Ζで百式ぶっ壊れたよな?」より。どこかの誰かの書き込み。
ガンダムの話題を語り合うスレである。厳密には「機動戦士ガンダム ΖΖ」の話題である。「機動戦士 Ζガンダム」のラストで、クワトロ・バジーナことシャア・アズナブルの乗るモビルスーツ百式はボロボロになっていた。しかし続編の「機動戦士ガンダム ΖΖ」でまた綺麗に登場しているので、その話題がこのスレの主旨である。結論を言えばどうやら2号機だったらしい。が、今回のセリフの主旨はそこではない。
ガンダムシリーズのお約束か、ロボットアニメ全般に言える事かもしれないのだが、制約というものがある。つまり、アニメは主人公が少年でなければならない事、しかし戦争ものである事。子どもがロボットに乗って、大人と混じって戦うという普通ではありえない不条理を、納得の行く理由を付けて説明しなければならないのである。大抵の導入としては、しまってあったガンダムを少年が許可なく乗ってしまった、そして動かせてしまい、戦果まで上げてしまった。味方パイロットが不足している、そしてその子も怒りや復讐心でやる気でいる、使えるものは何でも使うしかない、だから流れでメンバーに加わる、と言ったところだろうか。
ただこちらもアニメのお約束として、主人公にモブ機に乗らせる訳にはいかないので、主力級、いや主役機に乗せる事になる。大体は「一番乗りこなしてるのでなんとなく」使っていい事になるが、取り上げられそうになる事もある。しかしとにかく前提となるのは”上手く乗りこなせる事”である。初代「機動戦士ガンダム」で言えば、ガンダムは最新鋭機でその一機しかなく、しかしそれを15~16歳の少年である主人公のアムロ・レイが操り戦果を上げまくり、「連邦の白いヤツ」と言われるまでになっていた。まあ初代は本当に本職の軍人が不足していて、ホワイトベースの維持にまで民間人に多数手を借りていたので、かなり上手い自然な流れだった。
そういう風潮のあるアニメではあるものの、スレでは、最新鋭機を少年に任せるなんて、という意見もあった。それに対する返しが今回のセリフである。
「主婦なのに料理が下手な人と中学生だけど料理上手い女の子がいたら中学生のほうのを食べるだろ」
な、なるほど……。納得せざるを得ない絶妙な例えの回答である。確かになりふり構っていられないなら上手な人に任せた方がいい。それが戦争であろうとも、多少規律を曲げようとその場のトップが認めてしまえばその場は収まる。そして、生死の関わる戦時に、どんな手を使っても生き延びる手段を取る判断をするのも、トップの役目だろう。まさに的を射た回答だが、前提としてその料理の上手い女の子がいる、ガンダムの操縦の上手い男の子がいる、事が必要になって来る。が、ここでアニメのお約束需要に戻ってきて、ちょうど良く少年主人公の主役機搭乗、が成るのだろう。