「コピペ」
出典元、パソコンの機能のひとつより。「コピー・アンド・ペースト」。
「ペースト」は「貼り付け」の意味なので、コピーして貼り付ける一連の動作を略して「コピペ」と呼ぶ。
「コピペ」は、WindowsやMacintoshなどのパソコン黎明期から存在しているものでありながら、最新バージョンにも当然の様に搭載されている、真に使える機能のひとつである。この機能を思い付いた人は未来永劫誇っていい。それぐらい便利な機能でありながら、どうしてその便利な性能の範囲をそこで踏み留まったのかを考えるとなかなか深い話でもあったりする。すなわち、”一度にひとつのものしか保持出来ない”。
選択された文字などをコピーして貼り付ける行為は世界中で使われているが、この”一度にひとつのものしか保持出来ない”という性能が全く進化しない点と、それを誰も不思議に思わない点はあまり気にされていない。もしかしてもっといくつも保持出来た方が機能性が上がるのではないか、そう考えたユーザーがフリーソフトで対応したり、エクセルが頑張ってみたりしていたが、結局OS本来の機能として複数コピー機能は実装されていない。マウス操作にしても「コピー1」「コピー2」として割り振る事は普通に可能なはずだし、キーボードショートカットにしても余っているキーはいくらでもある。その機能が付けられなかった事はなかなか面白いし、OSの操作としてひとつが二つになる利点があまりなく、ひとつでも”ある”事が、とても重要だったという事なのだろう。
パソコンにおいて「コピペ」は、キーボードのショートカットキーを使うかどうかで作業効率が大きく変わるものとして有名である。コピーのショートカットキーは「Ctrl+c」、ペーストのショートカットキーは「Ctrl+v」で、ショートカットキーの中で有名なもののひとつとして、……二つとして挙げられるだろう。これらを使いこなす事でマウスの右クリックから選択するより格段に早い作業効率がもたらされるが、これひとつ取っても「Ctrl」を右手で押す派、左手で押す派、「Ctrl」機能を「CapsLock」ボタンに割り当てる派などと派閥が分かれる。
「コピペ」はショートカットキーを使う事で格段に便利になるが、文字の選択においては「Shift+矢印」や「Shift+Home」、「Shift+End」を組み合わせて操作する様になるともう一段上の快適さを得られるので、まずはキーボードのみでやれるだけの事をやってみるといいだろう。手っ取り早いところでは「知っていると便利なショートカットキー」とかで検索するとたくさん出てくるが、全部が全部使うというよりは自分の環境に合ったものを使いこなす事が重要である。今後ずっと使うものと考えれば便利なものは覚えておくに越した事はない。エクセルでセルを100個ぐらい、右クリックからコピー、右クリックから貼り付け、とやっていたらまず声を掛けられる。
「コピペ」には「コピー&ペースト」以外にも意味があり、掲示板のスレッドの先頭に貼り付けられる、そのスレのルールや注意点などの書き込みも「コピペ」と呼ばれている。2ちゃんねるなどの掲示板は1000レスごとにスレッドを新しくしないといけないが、そのスレでのルールや注意点は共通のため、つまり前のスレから次のスレへとそれらが「コピペ」されるのである。また、”ネタ”としての「コピペ」も存在し、掲示板には以前にどこかで使われたちょっと有名な”煽りコピペ”が悪ふざけで貼られる事があり、それに怒って反応してしまうと「ネタにマジレス」などと揶揄される。酷い話である。
最後にショートカットキーについてこれだけ……。「コピペ」のショートカットはWindows標準として「Ctrl+c」だが、実は「Ctrl+Insert」にも標準で割り当てられている。そして貼り付けは「Ctrl+v」だけでなく「Shift+Insert」にも割り当てられており、これは右手だけでカタカタッと操作出来る配置であり、使う指の標準的な器用さで考えると「Ctrl+c」と「Ctrl+v」よりも操作性に優れるものである。キーボードというものはメーカーによって配置が違うのでどんなキーボードでも快適とは言い切れないが、場合によってはそちらを使う方がいいかもしれない。……そう、多分これが一番早いと思います。