#多分これが一番早いと思います
出典元、ニコニコ動画のタグより。主に最速クリアタイムを記録したゲームプレイ動画で使われるタグである。
ゲームプレイ動画をアップロードする人が現れ、ゲーム内容だけでなく、おしゃべりと併せて面白おかしくエンターテイメンする人たちが増殖し出してから幾年月。まさかここまで面白いものだったとは……、と目から鱗の人も多かっただろう。まあ、初めの頃はメーカーに怒られないかどうかを心配していた様だが、たぶんニコニコ動画が頑張ってくれたおかげで現在はおおむね公認された存在である。
それでも目を惹くのは通常プレイとはまた別の、最速クリア動画である。アクションゲームやRPGなどを最速クリアする。レースゲームならコースレコードの更新動画をアップする。オンライン機能のないゲームでも、プレイ動画をそのままキャプチャーしてアップすればそれは十分クリアタイムの証拠になる。最速クリアタイムを競う遊びで、ゲームプレイ動画はまたさらに一つ、新しい面白さを得た。
とはいえ、単にゲームを最速クリアするという遊びはあっという間に消費されてしまった。するとどうなるかというと、「一度も逃げずにクリア」、「レベル1でクリア」、「パワーアップアイテムを取らずにクリア」など、「縛りプレイ」での最速クリアへと比重が偏って来るのである。そしてまた例えば、「マリオで無限1UPで99機にするまでのタイム」など、どんどん細かいレギュレーションが増えて行く。通常とは違う「TAS」と呼ばれる、エミュレーターを使い何度もやり直しつつ最良の動きだけを繋げて最速プレイを生み出す方法もあり、厳密には実プレイとは区別されているがそれも最速クリア動画には使われている。
#多分これが一番早いと思います
そしてそれを煽って来るのがこのタグである。最速プレイ動画を作ってアップし、そこに本人がこのタグを付けるのである。これがまた注目を集めるもので、「お、どれだけ早いんだ」と視聴者を集めるなかなか効果の高いタグである。味のある使い方としては、初めて行う奇抜なプレイ動画をアップして、このタグを付けてみる。アップした人はどちらかというと、動画を見て欲しいのであって本当に一番早いとは思っていなかったりする。つまり煽り要素の高い、集客アイテムとしてこのタグが使われる。
そして”あっという間に追い抜かれるフラグ”としてもこのタグは存在する。とある「TAS」の動画でこのタグを使ったところ、皆が驚くぐらいあっという間に別の動画がアップされ、記録が塗り替えられてしまった。もちろん別の人にである。そして塗り替えたその人もこのタグを使っていたが、さらにまたすぐに塗り替えられてしまった。こうなるとフラグである。新しい動画に初めからこのタグを付けると、すぐに抜かれてしまう。そんな意味も持つタグとなってしまった。が、それが面白いのでなにも問題は無かったりする。
狭いようで広い、ゲームのこだわりプレイ動画業界、まずはマリオの最速クリアか、レースゲームのコースレコード辺りから見ていくと、たぶん「TAS」になるが「なんじゃこりゃあ」な動画がたくさんアップされているので、ハマるのには多分これが一番早いと思います。