「ROM専」
出典元、ネット各所。ネットユーザーなら知らずにやっているであろう楽しみ方の一つ。
「ろむせん」と読む。「ROM」は「Read Only Member」の略で、読むだけのメンバー、それの専門なので読むだけ専門のメンバーが「ROM専」である。「CD-ROM」の「ROM」が「Read Only Memory」で、そこからもじって作られた名前なのだろう。「ろむ」という語感がちょっと気持ちいいのが、広まった一因にあるかもしれない。
「ROM専」のネット上での使い方は、最初使われていたのは2ちゃんねるなどの掲示板だった。あそこは書き込み方法に独自ルールがあり、それを間違えてちょっと書き込んだだけでも怒られる。そもそも怖いとか危険なイメージがある場所である。また、書き込みで揉めたり荒らされたりした場合、当事者だと非常に嫌な思いをしてしまう。なので元から読むだけのつもりで利用している人が多く、それが「ROM専」である。もちろん誰でも書き込めるので、自ら書き込んで反応を見るようになると楽しさが跳ね上がるのだが、そうしなくても情報としての価値は元からあるし、リスクのない楽しみ方としては悪くない。どんなに荒れていても当事者なのと他人事なのとではダメージがかなり違う。
元々はそういう使い方の「ROM専」だが、別の捉え方も出来る。その最たるものが、意外な事にツイッターだったりする。ツイッターは自分がアカウントを持ち、つぶやいたり、他人のつぶやきを見たり出来るソーシャルメディアである。自分の日記にも出来るし、他者との交流も出来る。しかしそれがゆえに、利用を敬遠している人も多いだろう。「つぶやく事なんてないよ」、「ネットの知らない人と交流したいと思わないし」、「トラブルに巻き込まれそう」、そう言って利用しない人はかなりの数に上ると思われる。お前はなにを言っているんだ。
つまりそういう人は「ROM専」でツイッターをやればいいのである。ツイッターのアカウントを取得し、好きな芸能人やスポーツ選手をフォローしたら、”自分はつぶやかない”。そんなんでいいの? と聞かれそうだが、いい。そんなんで楽しめるの? とも聞かれそうだが楽しめる。知らない人からメッセージが来たら? そんなものは無視する。この「ROM専」ツイッターなら、自分への反響もないが被害の心配もない。自身が介入するという要素がなくても、それは楽しさのかなりの段階まで満たしてくれるのである。だから自分がつぶやく事がないと悩む必要もないし、つぶやかなくていい。そのうちリアクションぐらいしたくなったら「いいね」や「リツイート」すればいいが、それもしなくてもいい。別にツイッターをやらなければいけない訳ではないが、もしアカウントを取得せず、でもネットでお気に入りからちょくちょく誰かのつぶやきを見ている人がいたら、登録してフォローした人のつぶやきを見る環境にするだけで、快適さは上がるだろう。
そしてこれはほぼ同じやりかたでインスタグラムでも通用するし、なんと言うか、昔からある楽しみ方なのである。ソーシャルメディアだけがネットではない。繋がってなんぼではなく、利用してなんぼなのがインターネットなのである。こうしたら楽しい、こう使わなければ損だ、そりゃあサービス提供側は色々言ってくるだろう。しかしそういった色々な意見を聞いた上で、本当に自分に必要なところだけ上手い事利用すればいいのである。その利用方法の一つであり、考え方の一つが「ROM専」と言えるだろう。