#マシュマロを投げ合おう
出典元、匿名メッセージ送信サービス「マシュマロ」が使用しているハッシュタグ。優しい世界。
ネット上で匿名で質問を送れるサービスというものは以前から存在していたが、主に荒れてサービスが終了したり、使われなくなったりして定着していなかった。しかしまあ「これを聞きたい、でも自分が聞いたとはバレたくない」という需要は常に存在しているし、一度あったものがなくなってしまうとそりゃあ困る。しかし荒れるのもイヤだ。匿名であるゆえに、悪意のある質問、攻撃性の高い質問を投げてしてしまう人は要るのである。ではどうすればいいか。そう、……堅くないものを投げ付ければいいのである。
という思想を元にしたのかなんなのか、匿名メッセージ送信サービス「マシュマロ」は生まれた。マシュマロなら投げ付けられても痛くない。マクラに見えない事もないが、マシュマロである。やっている事は結局匿名質問サービスなのだが、どうやら優秀なAIによって悪意のある質問を焼き払っているらしく、そういったものは届かない仕組みになっている。つまり届く質問はすべてマシュマロの様に柔らかい。まさに理想のサービスである。ちょっとの工夫で上手い事やったものだ。
しかしもちろんAIは完璧ではないし悪意は網の目を抜けるため、攻撃的なメッセージが届く事もある。堅いマシュマロである。それについてはマシュマロも公式見解として、「届かなかった事にして、その質問を通報してください」と答えている。なるほど、それは確かに有効である。堅いマシュマロを投げた側も、弾かれるかどうか微妙だと思っているはずなので、回答がないという事は弾かれたんだな、と判断出来る。無視となるとどうしても角が立つが、届かなかった振りがそれらを包括しているので、上手いやり方である。
マシュマロ公式自体も当然ツイッターアカウントを持っており、なにげにそこにマシュマロを投げ付ける事が出来る。マシュマロにマシュマロを投げられるのである。そこを匿名にする必要はない気もするが、ユーザーはマシュマロについての質問を、本当に気軽に、マシュマロとしてマシュマロに投げ付ける事が出来るのである。そしてマシュマロ公式はもちろん答えてくれるという、意味が分からなくなりそうな話であるがそれなりに当たり前の話である。
このサービスの肝はおそらく、マシュマロを採用した事だろう。柔らかいものならなんでも良かったはずだが、それこそマクラでも良かったはずだが、そこをお菓子のマシュマロにしてしまい、投げ合う、という奇抜な発想がユーザーの心をつかんだに違いない。実際、サービス開始すぐよりもこの「#マシュマロを投げ合おう」のタグを使い出してからの方がブレイクしたらしく、面白いもの大好きなネット民に上手く響いたと言えるだろう。キャッチコピーの勝利である。
#マシュマロを投げ合おう