#なぜベストを尽くしたのか
出典元、ニコニコ動画で使われるタグ。愛すべき馬鹿に贈る褒め言葉。
しょーもないネタ動画というものはあるものである。一時的に大流行した題材があったら、それを使ってしょーもない動画を作る。Youtubeでもあるが、こういう悪ノリはニコニコ動画の方が多く行われているだろう。流行り物は一過性とはいえ集客力があるため、みんな食い付いてしまう。そしてその題材でたくさん検索される様になり、関連動画はあっという間にランキングを独占したりする。言うなれば悪ふざけであるが、こういう馬鹿な事は、片手間な気持ちでやると、大した事にならない。逆に、全 力 で や る と 気 持 ち い い。
一つの題材に絡めてパロディ動画が一時的に流行ったりする。あるアニメのオープニングが人気が出たと思ったら、キャラクターを変えてみたり歌を変えてみたり、アフレコしてみたりと色々な魔改造が行われる。有象無象が参入するので、クオリティの低いものや、釣り動画で溢れてしまう。視聴者もサムネイルを見て「しょーもないんだろうな」と思いつつ、それはそれで結構見てもらえるのである。そこでは普通、本当にしょーもないレベルの動画が見せられ、「まあそうだろうな」という感想と共にそのページは閉じられる。ネタ動画なんていうものはそんなものである。が。
そういったネタ動画に、全力を尽くして取り組んでしまう人たちがいるのである。上に書いた人気アニメのオープニングで言えば、画像合成技術を駆使してキャラクターを入れ換えてみたり、友達を募って歌やアフレコを頑張ってみたり、それこそパロディで丸ごとアニメーションを描き直してしまったり、である。それは区分としては悪ふざけなのだが、しかしそのクオリティがやたらと高かった場合、ある種の作品である。実際に大勢に視聴され、多数のお褒めコメントに覆われるだろう。そこに人は、尊敬の念を込めてこのタグを付与するのである。
#なぜベストを尽くしたのか
愛すべき馬鹿に贈る褒め言葉である。
技術的に凄い作品もあれば、労力的にとんでもなく大変な事をやっている作品もある。しかし基本的にしょーもないお馬鹿な内容のため、見ている分には面白いが作るなんてのはありえないレベルの話である。だからこそ、面白い作品を提供してくれた人に対してこの言葉を贈るのだろう。馬鹿を見てみんなで笑うのも楽しいし、そのクオリティの高さに感心しつつも馬鹿らしさに笑ってしまうのもまた、とても楽しいのだから。