「やめてさしあげろ」
出典元、ネット各所。さらに先の元ネタからの派生であるが、それについては触れない。
「やめろよ」や「やめなさい」ではなく、「やめてさしあげろ」である。ニュアンスとしては、「w」をいくつか付けて「やめてさしあげろwww」にした方が伝わりやすい。掲示板の書き込みや動画へのコメントなどでしばしば見掛ける言い回しである。いや、それほど多く見掛ける訳ではないが。「上手い事を言うなぁ」とニヤリとしてしまう言い回しで、……まさか元ネタがあったとは。女性が好んで使う傾向はあったかもしれない。まあそれには触れないが。
どの様なシーンで使われるかというと、芸能人やタレントなどに対し、そのファンが自由に感想やコメントをする時に使われる。感想掲示板でもいいし生放送でのコメントでもいい。誰かへのつっこみなのでブログでは使われないだろう。すなわち、そのタレントに対し、「これについては触れてほしくないんだろうなあ」、といった過去の失態や恥ずかしい黒歴史、ファンが”知っていて敢えて触れない話題”をなにかのタイミングでどこかから振られてしまい、そのタレントが恥ずかしい思いをしている時にフォローする際に使われる。「やめろよ」や「やめなさい」だと命令やけんか腰になってしまうのに対し、「やめてさしあげろ」なら「分かってるけど触れてやるなよ」、や「やめろよ、まあ面白いけどw」の意味が込められてしまう。いや、込められてくれる。その為、ファンの間でそれを知っている者同士のシンパシーも発生し、それ自体が面白いのと、これ自体がギャグになっているので知っている人にとってはこのセリフが面白いし、その掛け合いもまた面白いという階層の深いギャグが成型される事となる。そのタレントにとっては迷惑な話だが、それもファンとの交流の形の一つだろう。……まあ、適当に言っているが。
適当と言えばこのフレーズの意味自体も憶測である。すいませんでした。そもそも自然発生、いや、元ネタからの自然派生なので厳密に意味が決まっているものでもない。誰かが使い出したものに、他の人が「こんな感じで使うのかな?」となんとなく真似をして使って行ったものが広まってしまったのだろう。そう考えると突発的に生まれたフレーズがここまで流行るのは、どこから流行語が生まれるか分かったものではないのと同じ不可思議さを感じてしまう。まあ、流行ってるかは知らないが。
この使いたくなる感じは、おそらく使い勝手の良さと、「声に出して読みたい日本語」的なものがあるのだろう。もちろん書き込みがメインなのだが、このフレーズに関しては口頭でも使えない事はない。そうなるとやはり、フレーズ自体の魅力という事になる。そもそも「やめろ」の尊敬語はなんなのだろうか。……「おやめください」か。あるいは「お控えください」。しかし尊敬語でありつつも、結局は命令気味になっているので、つまり「やめろ」を尊敬語にしたのをさらに命令口調に変換すると、「やめてさしあげろ」になるのだろうか。そんな気もするが、言葉遊びが過ぎる感じもしないでもない。そもそも元ネタがあるので、誰かが上手い事魔改造したら、上手い具合にヘンテコな意味がフィットしてしまったのが真相だろうか。しかしまあ、全てが憶測である。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。