「こんな可愛い子が女の子のはずがない」
出典元、ネットのどこか。発祥時期は定かでは無いが比較的歴史があり、知名度のある迷言である。
漫画やアニメなどで、まだ性別が不明のキャラクターがいて、そのキャラが非常に可愛い場合に用いられる。そこは「男の子のはずがない」では、と思う人もいるかと思うが、「女の子のはずがない」である。男性読者的には「ん?」と思うだろうが、つまりこれは女性読者の視点であり、意見であり、感想である。つまり性別不明の可愛いキャラがいた場合、そのキャラが女の子だと判明すると喜ぶ男子もいれば、男の子だと判明すると喜ぶ女子もいるという訳である。
基本的に性別不明状態のキャラに対して使われるが、もはや定番のセリフと化しているので、初めから性別が判明していたり、ストーリーの途中でとっくに性別判明イベントが発生しているキャラに対しても使われる場合が多い。お約束ネタとも言えるが、愛ゆえに、とも言えるだろう。
作家側としては性別を隠している段階で行う事として、当然見た目の可愛さ、中性さもあるが、名前を男女どちらとも取れるものにしておく必要がある。日本人の名前だとどちらとも取れるものはそれほど種類がないので、その名前を出した時点で玄人読者はピンと来るものがあるだろう。まあ名前自体を出さないという手もあるが、ギリギリまで引っ張ってここまで分かってるのにまだ確定していない、という状態の方が読者的には粘りがいがある。だいたいにおいて、もはやほとんどの読者が「女だろ」と思っているのに「まだ絶対的な確証は無いし……」と女性読者に粘られるキャラほど、濃く歪んだ愛に取り憑かれているだろう。
あと男の子と確定しているのに言われるパターンとして、「女装男子」がある。ストーリー上いやいややっている場合もあれば、個人の趣味で自らやっている場合もある。この場合は周りや本人の”可愛くしよう”という意識が大いに働いているため、格好もむしろ普通の女子より女の子っぽく、フリフリしていたりデコデコしていたりする。こういうのを生理的に嫌う読者もいるが、生理的に大好きな読者もいるのが困りものである。が、それが日本人なので、仕方ない。仕方ない。もういっちょ仕方ない。もし、そういうのを今は好きでは無いのに、ちょっといいかな、と思い始めた男性がいたら、危険サインである。これを専門用語で
「それ以上行くな、戻って来られなくなるぞ!」
という。かは知らない。