「おおゆうしゃよ、しんでしまうとはなにごとだ!」
出典元、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズより。パーティが全滅してしまい、お城で復活した際に王様から言われるひどいセリフ。
とんでもないセリフである。普通、死んで怒る人がいても当人に直接言う事はできない。まさにゲームならではのセリフである。期待していたのに失敗したのだから怒る気持ちも分かるが、王様が兵士に助けに行かせて、苦労して連れ帰った訳ではないことは状況から分かるので、なんだかイラッと来る。絶対これ自動転送だろう、と。こっちだって全滅して落ち込んでんだよ、と。
しかしRPGによってシステムは様々で、全滅したらその事実がなかったことになって、最後にセーブしたところからやり直しになるパターンも多い。それよりは多少、無駄にならなかった感はある。しかし所持金が半分になるというデメリットもあるので、よしあしである。冒険初期ならともかく、後半はリセットした方がいい場合も多い。
ドラクエにはお金を預かってくれるキャラもいるので、お金を預けておき、まだレベル的にかなわないところへやられつつも繰り返し挑戦する、という手はある。もらった経験値と上がったレベルはなくならないし、ダンジョンによっては途中までの攻略を前提として、脇道で取った宝箱を次からは取りに行かなくて済む様にするといった作戦も使える。しかしまあ全滅してしまえば罵倒されるのは変わらないので、好き好きである。しっかりレベルを上げてから死なないように進むのが王道だろう。
「ドラゴンクエスト」シリーズは一作目から最新作まで堀井雄二が手掛けているだけあって、全体を通して同じ味わいがある。この「しんでしまうとはなにごとだ」もそうだが、良い意味でクセのある言い回しがあり、どの作品をプレイしてもドラクエ感が感じられる。これは糸井重里の手掛ける「マザー」シリーズにも言える事だろう。
それから大きいところでは主人公がしゃべらないシステムがある。主人公は村人や味方からの問いかけに「はい」「いいえ」でしか答えない。一切しゃべらない。主人公はプレイヤーの分身だというのが理由だが、ここまで貫いているシリーズも珍しいだろう。ドラクエは日本のRPGの最初の作品みたいなものなので、当時それを真似して出てきたRPGは大体それを真似て主人公がしゃべらなかった。しかし段々とストーリーを動かすのに邪魔になると感じたか、少しだけしゃべるものからしゃべりまくるものまで、多種多様な作品が出てくることになった。
しかしドラクエは変わらない。グラフィックが豪華になったり3Dになって回転出来る様になったり頭身が上がったりしても、基軸の部分は変わらない。街の人々の会話やクエスト、時には泣ける、時には怖いストーリー、ハードの進化によって変わっていく部分はありつつも、慣れ親しんだ変わらないシステムのあることで、安心して遊べる。だからここまで愛されるシリーズになっているのだろう。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。