「同姓同名」
出典元、普段から使われる日本語の表現。広辞苑、ではなくウィキペディアには、「姓名(氏名)が同じ読みでかつ同じ表記であること」とある。
「同性同名」ではない。
要するに山田太郎という男の子がクラスに二人いたら、同姓同名だね、という事になる。別によくある話である。性が男で名が太郎なので「同性」で「同名」という事にもなるが、そういう表現は使われていないので「同姓同名」と混同しない様に気を付けられたい。紛らわしいが一度も考えた事がない人の場合、30秒ほど頭の上にハテナが出て、その後納得する程度のただの事実である。
さて、男の子にも女の子にも使われる名前というものがある。「苗字」と「下の名前」で言うところの「下の名前」である。よくあるところでは「カオル」、「アキラ」、「ヒロミ」などだろうか。漢字をあてると男女の傾向が出てしまうので、あえて分かりにくくカタカナ表記にしてみた。ここで話は戻り、「田中アキラ」という男の子と、「田中アキラ」という女の子が同じクラスにいた場合、それは「同姓同名」である。が、……説明はそれで足りるのだろうか、という疑問が残る。運用上は先生から「男子の方の田中」とか「女子の方の田中アキラ」とか呼ばれれば問題はないだろう。クラスメイトから変なあだ名が付けられてしまうかもしれないが、そこはお約束、お慰みである。問題は「同姓同名」で説明が足りない部分にある。いや別に問題でもないが、たまに「同姓同名」を「同性同名」と勘違いしている人がいるのでつついてみる。重箱の隅を。
つまり「田中アキラ」という男の子と「田中アキラ」という女の子が同じクラスにいた場合、それは「同姓同名」では説明しきれず、「別性同姓同名」なのではないか、という事である。「田中アキラ」なのは二人とも同じだが、性別が異なるので「同姓」ではあるが「同性」ではないのである。そして、つまり、では、「高橋ヒロミ」という女の子がクラスに二人いた場合、これは「同姓同名」であり、かつ、「同性同姓同名」と言えるのではないか。そんな言葉があるのかは知らないが、表現上あってもおかしくない言葉ではある。ただまあ、言葉遊びをしてるだけに思われるだけな可能性が高い。せめて「別性同姓同名」は使われていてもいい様な気がする。
そういえば「Another」という作品で、「見崎 鳴」(みさき めい)と「藤岡 未咲」(ふじおか みさき)の従姉妹だか姉妹だかが、家族の引き取り先の関係であっちにすると「見崎 未咲」(みさき みさき)になってしまうからこっちになった、なんてネタがあった様な気がする。こういう場合に使う表現も存在しないが、「下の名前」っぽい「苗字」というものは存在するので、結婚では稀に発生する事態だろう。「同姓名」?
ま、そんなどうでもいい事より最近はキラキラネームの方が大変だ、という学校の先生からの念波が届きそうなので、どうでもいい話はこれくらいにしておく。