「青椒肉絲」
出典元、料理名。
青椒肉絲! あお、しょう……。まあ、「青椒肉絲」である。いや、分からないか。分かるか。分かる人には分かるか。中華料理の料理名である。困ったことに難読漢字である。しかし……、それが主旨である。
お店に入りメニューを見て、読めない! そこでさらに写真もなければお手上げだが、まあこの場合中華料理なので写真ぐらいは添えてある店も多いだろう。しかし読めない。すいません、「この、あおしょうなんとかください」。恥ずかしい。けど頼むしかないのだ。店員さんの返事は、
「ああ、チンジャオロースですね」っておい!
慈悲の心はないのか。しかし大抵の場合、店員さんも中国人なので細やかな気配りはない。そして一番言いたいのは、ふりがな振っといてよ! という事である。中国読みでも日本語読みでもいい。カタカナ書いといてくれれば、それを言うだけなのに。これがこの程度ならいいのだが、チンジャオロースなんてまだメジャーな方である。もっともっとマイナーで、しかも写真までなかったらどうしようもない。そしてやっかいな要素として、日本人は漢字が分かるので少し予想出来てしまうのである。「青椒肉絲」だって青い野菜が入ってて肉も入ってる料理だな、って予想が付かないこともない。実際ピーマンと細切りの肉が入った料理である。
この問題は店側はもっとよく考えた方がいい。中国人の経営している中華料理屋が、注文を厨房に伝えるのに中国語を使うのは勝手にしろである。雑談で客の悪口を言っていたとしても、良くはないがこちらには分からないのだから実害はない。しかし日本で店を出しておいて、メニューを日本人に読めないままにしておくというのは大問題だ。
そして”読めないなら読めるものを注文する”という選択肢が出てきてしまう。これは絶対に店側がわざとやっていることではない。気が回っていないだけだ。コンサルタントがいたら絶対にふりがなを振らせるだろう。明らかに商機を失っている。それに客に面倒くささや恥ずかしさなどのストレスも掛けている。日本人の経営する中華料理屋では大体そういう気配りはされているので、やはり気にしていないだけなのだろう。
気配りの行き届いている店というのは気持ちの良いものだが、意外と目立たない。逆に、基本的な事がおろそかになっている店は非常に気になる。店の商機を失っていることだけでなく、客がたくさんの料理を味わう機会も同時に失っている事に気付いた方がいい。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。