「ダイレクトマーケティング」
出典元、マーケティング手法の名前。しかしここでは「ステルスマーケティング」発生以降の、それの対義語としての「ダイレクトマーケティング」について語る。
というかまともな意味の「ダイレクトマーケティング」という用語もあったらしい。消費者に直接宣伝する事を言うそうで。近年で言うなら企業の公式ツイッターが新商品発売をつぶやいている様な事を言うのだろう。ツイッターの相手は個人消費者なので。
しかし言いたいのはそう言う事ではない。問題が「ステマ」で、その逆の意味での男前な「ダイマ」の事を言いたい。「ダイマ」はさすがに伝わりにくいが「ダイレクトマーケティング」はやたらと格好いいな……。
とりあえず「ステルスマーケティング」からである。これはまあつまり”あくどいやつ”である。有名ブログなどでさりげなく商品を紹介されると「ほう?」となる。気にしていなければ実情は分からない。実際は裏で、企業から、「そちらのブログでこの商品をいいイメージで紹介していただけませんか? しかもさりげなく。これは謝礼です」というやつである。これがまた、上手くやればバレない、もしくはそれっぽくても証拠がつかめない、のだが、アメーバブログだったか、芸能人ブログがやらかしてしまった。おそらく芸能人側が文章まで作るのも面倒だからと、”こんな感じでっていう文章もください”とお願いしてしまったのだろう。同時に複数の芸能人が同じ商品を、同じ様な文面で紹介してしまった。そして広がる疑惑の波。「あれ、おかしいぞ?」。結局それはこっそりした宣伝だとバレてしまい、ステルス戦闘機から取って「ステルスマーケティング」という言葉まで生まれてしまった。現在は「ステマ」で十分通じるほど浸透し、しかし今もまだまだ使われている。
の、対義語としての「ダイレクトマーケティング」である。自分が本当にいいと思った商品をブログやツイッターで宣伝する。堂々と。「これ凄く良かったからダイレクトマーケティングさせてもらう!」や、「あの商品ホント買って良かった!(ダイマ)」などの使い方をされている。「ダイレクトマーケティング」なんて書かなければいいのに、と思いがちだが、書かないと「ステマ」に思われるという弊害がある。そのための宣言である。しかしなぜかそういう潔い宣伝に限って肝が据わっていて格好いい。ちょっと前までは「ステマさせていただきます(笑)」みたいな使われ方もあったが、「ダイレクトマーケティング」という言葉の格好良さがそれを上回ったのだろう。
とにかく自分が本当に人に勧めたい物がある時に、非常に使える言葉になった。使わないと「ステマ」に思われるせいだからであるが、もはや取り返しが付かないところまで来てしまったし、もうどうしようもない。なのでなにかの時は「ダイレクトマーケティング」という言葉を使うといいだろう。人間、こそこそしているやつにはきな臭さを感じてネガティブなイメージを持つが、堂々としている人には潔さを感じてポジティブに受け止めてもらえるものである。