「バウンド」
出典元、不明。誰が使い始めたかも不明だが、テレビで芸能人がかもしれないし、YouTuberかもしれない。
「バウンド」、何用語かと言われれば、焼肉用語である。焼肉を食べるときに白いご飯を食べるかどうかは議論の別れるところ、もとい、好みの別れるところだが、白いご飯のある際に行われる行為に名付けられた名前である。つまり、肉を焼き、タレに付け、そのまま食べる前にライスに一旦付けてからパクリと行く、そのライスにトントンとさせる行為の名前が「バウンド」である。ご飯と一緒に行く場合もあるし、バウンドだけして肉を食べ、その後ライスをかき込むパターンもある。文章で書くとあまり臨場感がないが、動画で見せられるとなかなか威力のあるシーンである。
焼肉を食べる時に白いご飯を頼むかどうかは非常に好みに左右される部分である。まず酒を飲むかどうかが大きく関わってくる。ビールジョッキ2杯に中ライスでも頼んだら、肉もそんなに食べられないだろう。また、食べ放題だとそのライスを食べる分も肉を食べないともったいない、という「もったいないオバケ」が出てしまうので、それもまた論争の火種である。人によっては同席した人にまで自分の嗜好を強制したりする場合があるが、そういう野暮な真似はしない方がよろしい。しかしまあ、時間制限まで掛けて肉をいくらでも食べていいと言われたら、なるべく肉をたくさん食べたいと思ってしまうのも人情である。逆に言えば、食べ放題で肉は食べつつも大ライスを2杯も3杯も食べて「あー食った食った」をされてもそれはそれで違和感である。下手か。
と、どこまで行っても好みの問題になるのだが、白いご飯が全くないとちょっと物足りない、と食べ放題でも小ライスなどを頼み、肉をメインに食べまくりつつ、ライスも少しずつ食べる人もいるだろう。個人的には玄人っぽさの感じられる食べ方である。そしてやはりライスがないとバウンドが出来ない。バウンドしなければいけない訳ではないが、あの焼肉店のあのタレ、の染み込んだ白いご飯、の美味しさ、あれを味わえるのも焼肉の醍醐味である。家庭で黄金の味ではああまでは行かない。
YouTubeもテレビも、またブログや漫画などでも食べ物系が流行っているが、やはり肉は強い。そして見た目的にも一つの皿から段々減っていくものよりも、焼肉の様に次から次へと新しい皿が出て来るタイプの方が見栄えが良い。作る側も焼肉なら、腹に溜まるかもしれないが一度、「バウンド」の要素を頭に入れて作ってみると、視聴者へなかなかダメージを与えられるかもしれない。与える必要もないが。