「ゴールデンカムイに出てくる変態」
出典元、漫画「ゴールデンカムイ」について語る際にたまに使われてしまう表現。ほら、あいつあいつ。
しかし、それに対する返答はどうしてもこうなってしまう。
「どの変態?」
……うん。
野田サトルの漫画「ゴールデンカムイ」は、ヤングジャンプにて連載中の人気作品である。明治時代の北海道を舞台に、アイヌの隠した金塊を見付けるために宝の地図を奪い合うというサバイバルバトル漫画で、アイヌの文化や狩猟、グルメなどの要素を盛り込んだ、これまでにないタイプの漫画となっている。
現在アニメの3期目が放送中だが、しかしアニメ化が決まった際には多くの人が驚いていた。「ゴールデンカムイ」には根本の部分に強烈な要素があり、それが”人の皮を剥ぐ”という行為なのである。そのため皆が「え、アニメ化出来るの?」というリアクションをとっていた。宝の地図は網走監獄から脱獄した死刑囚たちに刺青(いれずみ)として掘られており、その死刑囚に群がるのが銃剣を携行している陸軍兵士だの明治維新の生き残りだというのだから穏便には済まない。彼らは殺されるパターンが多く、刺青は死体から剥がされてアイテムとして所持されるのである。これをアニメ化……ううむ。
ただ、そういった部分は何とかそれっぽい演出をしてオブラートに包む事は出来る。まあ原作もそこまで直接的なシーンはないし、グロを重視している訳でもない。しかし不安要素はまだある、あってしまう。この漫画には……”変態が多過ぎる”のである。人の皮を剥ぐよりもキツい変態なんてものがいるのだろうか。
「ゴールデンカムイ」の登場人物は濃い連中ばかりである。主人公の杉元からしてす~ぐ人を殺して解決しようとする戦闘狂なのだが、そのぐらいはどうという事はない。ヒロインのアイヌ少女、アシㇼパは動物のオソマ(うんこ)が大好きで見付けては大興奮している。狩猟が得意なだけにリスなどの可愛い動物でも平気で狩ってさばいて食べるし、嫌がる人に動物の脳みそを生で食べさせるのが大好きである。が、それでもこれぐらいじゃ「ゴールデンカムイ」の変態のうちには入らない。どんな変態がいるんだ。いくつかピックアップしてみよう。
一人は殺人犯でありながら、自分も”必死に抵抗しながら殺されたい”という願望を持っている男だった。正体がばれると殺されると分かっていながら、杉元に正体を明かしたいとワクワクソワソワする共感のしにくいシーンが繰り広げられる。結局杉元に襲い掛かるものの、交戦中に突然シャチに襲われ、最高に嬉しそうに死んで行った。
一人は女装しているお爺さんで、人間の体を食べるとその部位が健康的になると信じており、人を捕らえては殺して解体し、食べていた。男女関係なく健康な肉体ならすぐ食べようとするヤバイやつ。お爺さんなのに、見た目がちゃんと綺麗な女性になっているのが非常に不快。
一人は死体を盗んで来ては人間の剥製を作っている男で、人間の皮を奇妙につぎはぎして服を作り、ファッションショーが出来るほど大量の作品を持っていた。耳や鼻が変なところに付いている絵面(えづら)がもう大変に変態で、見ちゃいけないやつ、見せちゃいけないやつ。
一人は勝進みたいに貫禄のあるヤクザの親分(男)だが、オカマで、男娼を買った事で恋人(男)とゴタゴタした末に、その恋人(男)を助けるためにヒグマと戦って相打ちになって死んだ。恋人(男)と手を取り合って二人で死ぬシーンは謎の感動があるので真顔で見るべき。
一人は動物が大好きなシートン先生みたいな男で、しかし大好きの方向が普通ではなく、動物にウコチャヌプコロ(獣姦)を繰り返していた。一見学者風の見た目ながらやっている事は異常すぎるキャラで、結局ヒグマとウコチャヌプコロした際に興奮しすぎて腹上死した……。すげえ! と一瞬だけ盛り上がってすぐ次の事を考えよう。
……まだこれだけではないが、もうホントお腹いっぱい。「ゴールデンカムイ」、よくアニメ化したものである。
「ゴールデンカムイに出てくる変態」なんだけどさ、
だからどの変態!?