「貼り付けて移動」
出典元、主要ブラウザのURLを右クリックすると現れる文言。新しいブラウザにはだいたい付いている機能。
とりあえずWindowsの話としておく。
ユーザーからのフィードバックというものがいかに重要かを思わせられる機能である。「ブラウザ」というものはインターネットと共にあった訳で、1995年付近からパソコンでネットを使う人は増え続けているだろう。当然、当時からURLというものはあり、それがネット上の番地である事はそれなりにすぐ知れ渡った。「リンク」という機能も直感的で分かりやすく、青文字に下線があるとクリックで別のページに飛ぶんだな、とこれもすぐ理解されただろう。問題はリンクされていないURLの場合である。
過去には「直リンク」を貼ると問題がある時期があり、初めの「http://」から「h」を抜き、「ttp://」などと表記する文化もしばらくは見られた。最近ではそれほど多くないが、その場合はいちいち「h」抜きをコピーしたあと、ブラウザのURLのところに「h」を半角で、全角ではなく半角で打ったあと、残りを貼り付け、エンターキーを押すなり「→」なりをクリックする。この場合は仕方のない手順である。問題は、URLが載っているものの、ただのテキストになっておりリンクが機能として付与されていない場合である。その時は全てを選択し、コピーしたら、ブラウザのURLのところに”貼り付けて、エンターキーなりを押す”という手順になる。長年多くの人が行ってきた行為である。こう書くと単純だが、右クリックからコピーや貼り付けを行っている人の場合は選択後に右クリック、コピー、右クリック、貼り付け、エンターキーを押すなり「→」なりをクリックする、という手順になる。面倒くさい。
「貼り付けて移動」
なぜこの機能がやっと最近実装されたのか、それはユーザビリティというものを軽視した開発側、それと謎のこだわり、無駄な競争意識、の現れだったのだろうか。これを使えば、URLをコピーして来てURLのところにカーソルを合わせ、右クリックしてあとはそのまま「貼り付けて移動」をクリックすればそのページに飛ぶ。ほんの少しの労力の差だが、全世界の人がその一瞬の労力を強いられていたと考えれば、とっくの昔に実装されていなければならない機能だったと指摘せざるを得ないだろう。その機能の実装を望むユーザーからの声は昔から多かったに違いない。現在、主要ブラウザであるところの「Firefox」と「Google Chrome」に全く同じ機能がある事を考えると、ブラウザとしてあってしかるべき標準機能だったのだと言わざるを得ない。実装が遅すぎる。
FLASHやXHTML、HTML5、スタイルシートなど、迷走の果てにやっと答えが見えてきたと思ったらスマホのおかげだった、という先の見えないネットブラウザ環境と、業界である。しかし世界的な勧告をする機関もあるしユーザーからの意見を集めてしっかりと協議したあと、実装している。いや勧告している。一時期あふれまくったブラウザだが最近ようやく収束してきている事もあり、メーカーのこだわりのためにユーザーが振り回される時代は過ぎ去ったと思いたい。メーカーもこだわりは捨て、良いところはどんどん取り入れてユーザビリティを高めて行ってもらいたい。あれだけしょっちゅうバージョンアップをしているのだから!