「Windows 9」
出典元、なし。そんなものは存在しない。
「Windows 7」はとても評価の高いオペレーティングシステム、OSである。現在の最新バージョンは「Windows 10」なので、過去形でもいいのだが、未だにシェアも多く、愛好家の多いOSである。「Windows XP」以来の優秀OSと言われている。その中間にも何かあった様な気がしたが忘れた。急にナンバリングタイトルになって驚いた人も多いだろうが、なにせ「7」って格好いいし、「Windows 2000」のように年を付けるとその当時は良くても過ぎ去った後に古さが強調されてしまうため、なかなかいいやり方だな、と思った。任天堂もそう思ったのか、マリオカートも「7」から真似している。しかし「Windows 7」の評価が高いのは、続く「Windows 8」の評価が低すぎた事にも大きく依るところがある。
「Windows 8」と言えば、とにかくスタートボタンがない事で話題になった。「直感的に操作せよ」でおなじみのライバルアップル社の「iPod」や「iPhone」に触発されたのだろう。しかし「視覚情報を頼りにキーボードとマウスで操作してきた」Windowsユーザーが大混乱に陥った。とにかくデスクトップに辿り付けない。コントロールパネルがどこにあるか分からない。しまいにはどうやって電源を切るかが分からない。酷い話である。画面横にマウスカーソルを押し付けるとメニューが出て来るなんて、言われなければ分かり様がない。スタートボタンをなくす事を考えついた人と、OKサインを出した人は更迭された方がいい。結局、「Windows 8」は世界中に大迷惑を巻き起こすバージョンアップだったと言える。しばらくはユーザーの馴れを待っていたマイクロソフトだが、悪評に耐え切れなくなったのか後に諦めて「Windows 8.1」にバージョンアップし、スタートボタンは復活した。
そんな状況であったために「Windows 8」も「Windows 8.1」もとにかく悪い印象がこびり付いてしまい、結局パソコンショップでは最新のパソコンに一つ前のOS「Windows 7」をインストールしてある機種が人気、という悲しい事態になった。新品を買うにも関わらず型落ちOSを選ぶという、マイクロソフトにとっては屈辱的な選択である。しかしショップ側も売れなければ仕方ないので、マイクロソフトがいくら「8」を推しても客の需要がとにかく「7」であれば、どうしようもなかったのだろう。当時プリインストールパソコンを「8」と分けて「7」のコーナーをわざわざ作っているショップをいくつか見た覚えがある。
そして最新バージョン「Windows 10」が登場する。……ん? という疑問はだれもが抱く。「8」の次の数字は「9」ではないか。しかしあっさり飛ばされて「10」になった。これは当時話題になったが、まあ「8.1」や「8.1アップデート」というものもあったので、それらが「9」扱いで「10」になったのかな、という意見や、「8」の悪評から飛躍する意味を込めて一つ飛ばしたのでは、という意見もあった。しかし濃い人たちの意見はまた違っていて、ここには過去のWindowsのバージョンが絡んでくる。「Windows 95」や「Windows 98」、「Windows 98SE」があったではないか。内部プログラム的に、「Windows 9~」で始まるOSはこう処理して、「Windows 7~」ならこう、「Windows 8~」ならこうと判断していた場合、「95」と「98」と「9」が一緒くたになってしまう。つまりバグが発生する。いわゆる2000年問題と同じ火種が発生してしまう事になるのである。それを防ぐ為に、「9」という数字を避けたのではないか。そういう意見である。2000年が到来する事は避けられなくても、ネーミングごときで避けられるならそれは避けた方がいい。だから「9」を避けたのだ。とても納得の行く意見だし、この意見が現在の主流である。
一応、本家マイクロソフトの説明は存在している。
「seven ate nine」
意味、「9は7に食われちまったのさ」。
誰が上手い事を言えと。