「ノイズキャンセル」
出典元、イヤホンなどに付いている機能。「ノイズキャンセリング」とも。
パッと耳に飛び込んで来た瞬間には謎のネガティブイメージがありつつも、よく考えると別に普通だなという認識に落ち着く珍しいタイプの名称。おそらく「キャンセル」という言葉に「注文を断る」というネガティブな意味が強く付き過ぎていて、印象がそちらに引っ張られるからだろう。一度した注文をキャンセルするのは良い事ではないし、ポジティブなキャンセルというものがあまり世の中にない。が、これについてはキャンセルする対象が注文ではなくノイズなので特に問題がなくなると共に、「最先端の用語を使ってる俺カッケー」感が得られるという利点がある。
イヤホンやヘッドホンに付いている「ノイズキャンセル」はノイズ(騒音)をキャンセル(打ち消す)するもので、それによって外部の音に邪魔されずに聴きたい音楽が綺麗に聴ける仕組みである。がっつり耳を覆うヘッドホンにそういった機能が付いているならなんとなくそういうものなんだろうなと納得出来るが、最近では小さなイヤホンにも付いていて、あんな耳にスポッとはめるだけのものが外部の音を遮断してくれるというのだから大したものである。騒音のうるさい工場などで使う防音ヘッドホン「イヤーマフ」的な使い方も出来る。……本当に?
本当に。もちろんなんでもかんでもパーフェクトにという訳にはいかないが、そこら辺が普通に値段に表れている。アップルだのソニーだのが作ったワイヤレスで最高性能のものは3万円とかする訳で、下手すりゃ100円で買えるイヤホンがそれぐらいするのなら、それぐらいの効果は見込めるのだろう。評価も高い。「イヤーマフ」的にと言うか耳栓的な使い方も出来るらしいが、これは「アクティブ・ノイズキャンセリング」という技術で、外からの騒音と逆位相の波を発生させてノイズを打ち消しているらしく、音楽をかけない無音だとその逆位相の音が聞こえてしまって、万能という訳にはいかないらしい。
騒音は打ち消しつつ人の話し声は聞こえるものや、その逆など、どこを重視した性能なのかという部分がメーカーによって別れるらしい。さらにそれらの調整を自分で出来る製品もあったりして、外からの音は全部打ち消したり、雑音だけは打ち消して話し声はスルーさせたりと、ただのイヤホンがなかなか魔法みたいな事をやってのける。かがくの ちからって すげー!
感覚としては、素人が適当に撮影した映像はザザザッと騒音が入っているのに、プロの撮影した映像は騒音が遮断されて聞こえるべき音や声がクリーンに聞こえる、あの感じに近いだろうか。これはマイクについてだが、聞こえる音に関してプロの使う高性能のもの、もしくはプロの加工技術自体がイヤホンに組み込まれている、そういう事なのかもしれない。そりゃまあ高くもなるだろうし、それがさらにワイヤレスになるというのだから高級ガジェットにもなるだろう。