「世の中、知ってる人が得をするように出来ているのです」
出典元、ひこたけ氏のブログ「ロマンとは何か…」の記事、「【かつや】の楽しみ方」より。こんなところで突く核心。
カツ丼チェーン店「かつや」の話である。牛丼は吉野家を始め3つの有名なチェーン店があり、天丼は「てんや」、そしてカツ丼は「かつや」がある。まあ「松のや」とかもあるが……。牛丼がやたらと流行っているのは、もはや日本人というかサラリーマンのソウルフードと化しているので当たり前に感じるが、よくよく考えると天丼とカツ丼は揚げ物なので調理に時間が掛かるはずで、あれらがよく牛丼と同じ土俵で戦えているものである。が、まあ、それはそれとして……。
このブログ記事は「【かつや】の楽しみ方」なので、「かつや」に関する豆知識が色々と語られていて、なかなか興味深い。
僕も飲食店を一つ(たまに二つ?)持っておりますが、
チェーン店が商品を提供する値段が 僕ら一般飲食が仕入れる材料代よりも安いということは結構ある話です。
だから、チェーン店に入った時は遠慮せずに安い物を優先で食べるべきだと考えております。
そして、格安な看板商品と裏腹に個人店に比べて高い物を頼んだ時の 「アレ?」 ってのも多いので、
チェーン店では あえて上を目指すことはおすすめしておりません。
確かに、全国に何百店舗もあるチェーン店は、大量発注の威力で材料を安く仕入れているであろう事は素人考えでも想像が付く。だから、売りにしている定番の”安くてよく出るメニュー”を頼むのが安定という話である。そして逆に、上に目を向ければ高級メニューはある程度のところでクオリティに限界が来るため、あまりお勧めしない、と。確かに、それを作って何十年のこだわりの高級店に比べると、チェーン店でちょっと講習を受けて作れる様になった人とでは比べるべくもない。あまり深く考える事のないテーマだが、これはかなり説得力の高い意見と言えるだろう。
記事は続き、メニューの組み合わせによる上手い注文の仕方などを語っているが、カツカレーの話題ではカツにカレーをかけない様に頼む魔法の言葉が炸裂する。まあ、そのままお願いするだけだが……。チェーン店のちょっとした「こんな事も頼めるんですよ」というのは、通が通ぶって使うせいで鼻持ちならないイメージが付きがちだが、……しかしカツカレーでカツにカレーをかけない様に頼めるのは、なかなか重要度が高いかもしれない。
トンカツは、個体としてのインパクトが強過ぎるせいであまり意識されないが、カツ丼のカツと、定食のカツは味付けが違う。カツ丼は玉子でとじているが、定食のカツは揚げたままなのだから同じなはずがない。そしてカツカレーもカレーがかかっていればもちろんカレー味なので、違う。カツカレーのカツはカレールーで食べる派とソースをかけて食べる派に分かれるが、初めからカレーがかかっていたらどうしてもプレーンなソースカツは食べられない。そこを……、カツカレーでカレーをかけない注文が可能ならば、定食の揚げたままのカツがソースで食べられる上に、カレーも食べられる。言わば「カツとカレー」である。よく考えると大した手間でもないし、選択肢として大いにありなのではないか。
せっかくのとんかつ屋さんですよ?
揚げたてサクサクの状態に
その店の拘りである特性のソースをかけたヤツで本領を見たいじゃないですか!
さらに記事は濃くなり、色々食べたい時のメニューの選び方にも話が及ぶ。「ロースカツ定食」から、ちょっとお金を出して「ロース・メンチカツ定食」などにすると、それは「豚肉×豚肉」である。専門用語で言うところの「ぶたがダブってしまった」というやつで、神経質な人が気にしそうなパターンである。被ろうがどちらも美味しいのならそれでいいし、そもそも「ロースカツ定食」にとん汁が付いて来てる時点で被っているのだが、それは「かつや」がひた隠しにしている企業秘密なので人にしゃべってはいけない。
そこで目を付けたのが「鶏の唐揚げ」である。これは「かつや」でも惣菜を販売している店舗でしか扱っていないが、大きめサイズの鶏の「唐揚げ」2個で150円のテイクアウト用のものを店内でも注文出来るのである。「唐揚げ」は別皿で提供される。これにより「豚肉×鶏肉」となり、一気に華やかになるとの事。「カツカレー」に「唐揚げ」を付けた日には、ソースをかけたカツ、カレーをつけたカツ、プレーンの唐揚げ、カレーをつけた唐揚げ、さらにそれぞれからしを付けても楽しめるという……。これは、これは……、語るだけの事が、あるのでは?
「世の中、知ってる人が得をするように出来ているのです」
締めが格好いいけど、「かつや」の話です。