「本田△」
出典元、不明。だがある時期からネットで誰かが書き込み始め、そのハイセンスな略し方が次第に広まったようだ。
「本田さんかっけー」と読む。
サッカーの本田圭佑の活躍をネットで賞賛する際に使われる。ハイセンスな略し方と書いたが、本当にハイセンスな略し方だと思う。ポイントなのはひと目見て分からない事だ。初見では「?」となり、「本田さんかく?」となり、そこで気付くかは五分五分、いや三分七分ぐらいだろうか。そして周りも使っているのを見る。あれ、褒めてる、すごいすごい言ってる、そういう時に「△」とはいかに? ああ、調子が上向きってことか、なるほどなるほど、それにしても本田これだけ活躍して格好いいなー、本田かっこいい、……本田さん、かっこいい。「本田さんかっけー」か! となる。思い付いた人は練りに練ったのではなく、ひらめきだっただろう。そういう確信がある。
なにせ賞賛したくなる格好いいスポーツ選手なんてずっと前からいたのである。それがなぜか本田だけ言われるというのもおかしな話だ。海外で活躍ということなら中田とかもいたし、それこそイチロー△である。サッカーは関係なかったのだから。ちなみに最初これを知った時、ブラジルのロナウドが▲な髪型をしていたのを思い出し、関連があるのかと思ったが全く関係なかった。サッカーと活躍した事とかっけー事しか関係ない。あ、意外と関係があった。
このようにネットスラング……、スラングというのも今回は違う気がするが、ネット発の用語というものは面白い。大抵が自然発生して、気に入られなければ使われず消えていくし、みんなが気に入れば使われていく。あとはどれだけ長く使われるか、一過性のブームで終わってしまうかである。「本田△」はとりあえず、本田圭佑が現役中はつきまとうだろう。それぐらいの威力を感じる。元ネタがどこかを探してみて、なんとなくしか分からないぐらいがちょうどいい発生具合なのだろう。現代用語の基礎知識も追いつくのに大変である。初めはアスキーアートやマイナー用語を追えばいいと思っていたのだろうが、そうは日本語が卸さない。魔改造は日本人の得意とするところである。
ちなみに派生として「本田□」、ほんたぐち……ではなく「本田氏かっけー」もあるらしい。これは少し尊敬の念を上げたっぽい印象を受けるが、ただ単に「本田△」をもじったものだということは想像に難くない。