「何について調べますか?」
出典元、マイクロソフト、オフィスのヘルプキャラクター、イルカのセリフより。
今の最新オフィスにデフォルトで登場するかは知らないが、初期のエクセルやワードのオフィス製品にはヘルプ用のイルカのキャラクターがいて、右下にふわふわと常駐していた。名前があるのかは知らない。ヘルプというのはもちろんメニューにもあり、F1キーを押すと暴発することで有名だが、さらに初心者向けに親切に分かりやすく、ということで最初からそこにいるようにしたのだろう。しかし、そこで投げかけた質問の回答はイルカが軽くインデックスを紹介して、結局ヘルプ画面へ飛ばされるだけである。
マイクロソフトのヘルプ画面というのは本当に杓子定規で、まあ同じシステムを使っているからなのだが、非常に見にくい。キーワード検索もなんとかあるが、使いにくい。インデックスもユーザービリティなどそっちのけの造りなので、分かりにくい。最近はウェブページへ飛ばすようになるものもあるが、助けてくれる姿勢をまるで感じられないぐらいそっけない。キーワード検索が本当に検索してるのか疑わしいほど精度が低い。「解決しましたか?」とよく聞かれるが、あまり解決しない。いわゆる、システムを作った人がそのまま仕様書を改造してヘルプにしてしまったタイプのものである。ユーザーの知識などそっちのけである。「セグメントがアクティビティな際に使用する引数ですか?」なんて聞き返されても、まあこれは適当な単語だが、質問自体の意味が分からない。悪い意味の技術者あるあるである。
の、せめてもの良心がイルカだったのかもしれないが、これはこれでイラッとする要素が満載である。まず最初からいる。画面の前にいるので邪魔。イラッとする。そして鳴く。うるさい。イラッとする。オフィスのバージョンが上がった時に解像度が上がって綺麗になった。イラッとする。クリックするとアニメーションする。無駄に凝っていてイラッとする。そして、本当に困った時に質問を投げかけると、とんちんかんな回答リストを提示してくる。日本語が通じていない。イラッとする。どうにもこうにも、本当に全く役に立たない訳ではないのだが、ユーザーとの意識のズレ具合を具現化したような存在だった。おそらくシステムとヘルプが完成した後に、偉い誰かが「せめてもうちょっとユーザーに優しく何か入れようと」とでも言ったのだろう。ワンクッションを入れるだけなのでこの機能の導入は楽である。そこでヘルプの使いにくさまで手を入れられたら良かったのだが、そこが絶対王者マイクロソフトたるゆえんだったのだろう。競合他社がいたら、もうちょっとマシだったと思われる。
なお、当時よく調べられていた事でネタになっている質問がある。何について調べますか?
「お前を消す方法」。