「ドラッグストア」
出典元、街によくある色物スーパー。清楚系スーパー。
「ドラッグストア」の名前になぜキナ臭さを感じてしまうのかは、それは単に「ドラッグ」というワードのせいだろう。しかし「ドラッグ」もただの「薬」の意味なので、英訳が悪いのではなく印象が悪い。印象が悪いのが悪い。風邪薬を買って来て「ドラッグ買って来たよ」と言う人もいないだろうに、なぜそこを「薬」ではなく「ドラッグ」にしてしまったのか。しかしじゃあ「クスリ」と言ったら安心かと言われるとそれもまたキナ臭いので、日本語としても英語としても薬成分が悪い。もしくは心が濁っているのが悪い。日本語で「薬」も「クスリ」もダメなのだから、せめて英語だけでも、病気を治す「薬」と「ダメ。ゼッタイ。」の「薬」の意味を分けられなかったものか。「メディセン」みたいな。今さら言ったところで後の祭りだが。
「ドラッグ」のそのイメージが付いてからか、その前からか、「ドラッグストア」は日本でやたらと流行ってしまった。一時期コンビニを抜くんじゃないかという勢いで増えていた。あれをちょっと清潔感の高い、スーパーの亜種と思っている人もいるかもしれない。スーパーと違って弁当や野菜が置いてないし、替わりに薬が置いてあるのだが、特定のコーナーを”全く認識しない”人もいるのである。男性にとっての女性化粧品コーナーや、女性にとってのメンズコーナーの様に、薬に関心のない人は、それらのコーナーをなかった事にして通り過ぎる。そういえばなんで白衣の人がいるんだろう? とたまに不思議に思うが、その疑問も10秒で消えるので長続きしない。
しかし異分子はやはり白衣の謎の人で、その人に許可を得ないと買えない薬があるらしいのだが、高確率で離席しているため結局買えない事が多い。いや違う、離席しているのと誰かに長々と捕まっている時間がやたら長いせいで、結局いないものとして考えてしまっている。あのやたらと長い離席中はどこに行っているのだろうか。調剤薬局が併設されている店ならそっちにいるのかもしれないが、併設されていないところは単にサボっているのか。スーパーの品出しなんてやりたくない気持ちは分からないでもないが……いや、それは別にやらされないか。どんなに忙しくても……、あれ?
食品や日用品に比べて薬にそれほど需要はないだろうに、「ドラッグストア」はやたらと増えてしまった。需要と供給のバランスは合っているのだろうか。薬品を扱っている要素を利用した法律の隙間を縫った金儲けの臭いがするが、気がするだけで確証はなにもない。薬の売上は全体の20%ほどらしいし、近年薬剤師が増え過ぎているという話もあるらしいが、なんとなくキナ臭さを感じるだけで、根拠はなにもない。