「エキュート」
出典元、JRの駅ナカにあるショッピング施設。
駅ビルやデパートを始めたのは日本らしい。というか現在でも他国ではあまり見られないものだそうなのだが、エキュート(ecute)はまさに行くところまで行ってしまった施設と言えるだろう。どこもかなり規模が大きいので、電車を利用しないでも駅まで来た人にとっては魅力的なショッピング施設である。しかし改札の中にあるので、改札を通らないと入れない。電車に乗る予定のない人は、じゃあ利用出来ないのかというとそうでもなく、130円の入場券を買うことで2時間、中に入る権利を得られる。改札も、その入場券で通る事が出来る。
……。
はあああああああああ!?
誰だこの仕組みを考えたのは。あの、改札の先に見えるとても凝った、豪華な、魅力的なショッピング街に、130円払って2時間しか入れない? 誰に対する差別化? 誰を排除したい仕組み? 電車を使わない人をって事? なんなんだこの疎外感は。遊園地じゃないんだから。130円払ったらそれ以上は買い物をしないともったいない、そういう意識を持たせる値段設定なのだろうか。なんだろう。このもにょもにょした気持ち悪い感覚は。
……「いじわる」か。
そしてセールス的な意味でもこれはいい方策なのだろうか。少なくとも一日にかなりの数の人から「あ~あ、あそこのショッピング街行きたいのに、改札の中だもんなぁ、電車も使わないし、どんな店があるかも知らないから130円払ってまで行くのもアレだし、通勤とかで使ってる人はいいよね、うちらはせいぜい外で買い物しますよ……」と思われていないか! いるだろう!
試せばいいのに。改札の中に作っちゃったのは仕方ないとして、一度入場券を0円にして試せばいいのに。そしたらもっとずっと活気付くのではないか。すくなくとも今現在、”いつも近くまで来て見てるけど入ったことがない”人は入ってくれるだろう。そしてそれなりに買い物もしてくれるだろう。エキュート、ecuteの意味はウィキペディアによれば、以下の通りである。
eki(駅)、center(を中心に)、universal(あらゆる人々が)、together(一緒に)、enjoy(楽しむ)
”あらゆる人々が”?
”電車を使っているか130円の入場券を払った人々が”の間違いではないだろうか。全然キュートじゃない。あざとい。いや、「いじわる」だ。成功しているのだろうか。成功していても、失敗だと思う。130円を払って2時間せかせか見て回って、買い物をせずに出た人がどのくらいいたのか、データを見せて欲しい。そして、責任者にもそのデータを見せてやって欲しい。
エキュート、少なくとも、”名前に偽りあり”である。