「ラクスル」
出典元、ネットプリントサービス大手「ラクスル」の会社名より。ラスクルではなく、「ラクスル」。
世界一「アスクル」っぽい名前の会社が「ラクスル」である。しかしこの二社に特に関連性はなく、他社のそら似である。「アスクル」の方が先にあり、名を上げたのも先なので「ラクスル」のパクり感も多少あるが、ラスクルではなく「ラクスル」なので、どう、どう、落ち着け落ち着け、といったところか。要するに似ていると感じるのは、カタカナ4文字で最後が「ル」で終わっているところと、日本語ダジャレネーミングなところだろう。「アスクル」はバレない用にしれっとダジャレネーミングにしているのに対し、「ラクスル」はダジャレの効果による会社名の覚えやすさを狙っている。
もちろん「ラクスル」は「楽する」から取っている。一度覚えてしまえば忘れにくい名称として、なかなかの威力を持ったネーミングと言えるだろう。あの、あれ、どこだっけ、事務用品の明日来る……「アスクル」! あの、あれ、どこだっけ、印刷の楽する……「ラクスル」! 「アスクル」は主体が会社側にあり、「ラクスル」は主体が使う人側になっている、という違いがある。……。
「ラクスル」と比較するべきは「アスクル」ではなく「プリントパック」である。
「ラクスル」は、ネットプリントサービスとかいう面白いサービスをやっている会社なのである。その大手が「プリントパック」で、現在いい感じに競い合っている。このネットプリントサービスというのは中々便利なサービスで、生活の知恵レベルに知っておいた方がいい存在かもしれない。データを作ってこのネットプリントサービスに送れば、印刷会社の高性能印刷機でプリントして、出来たものを送ってくれる、そういうサービスである。これは法人でなくても個人で利用出来るため、例えばちょっと質のいいチラシを作りたいとか、個人的な名刺を綺麗に作っておきたい、といった時に非常に便利である。単純に、プリンターを持っていない人が替わりに印刷してくれるサービスと思っていればいい。
ネットプリントサービスは「プリントパック」が昔からやっていて天下を取っていたのだが、近年「ラクスル」が登場し、安さを競ったり独自のサービスで対抗したりといい感じに競争している。もちろん他にも何社かあるが、知名度で言えばまずこの二社だろう。「ラクスル」は印刷サービスを始めるに当たって”自社で印刷しない”、という奇抜な作戦に打って出ており、大量の印刷工場と提携して、印刷機の動いていない時間に依頼を回すという画期的な手法を採っている。こういったサービスは成功しても面白いし、失敗しても面白い。
「プリントパック」と比較しての「ラクスル」の特徴はサービスの過剰さだろう。「このチラシ印刷して!」から始まったサービスが、はいはいはいとなんでも言う事を聞いていたら「チラシをデザインして印刷して!」から「チラシをデザインして印刷してポスティングもしといて!」となかなか凄い事になっている。もちろん、正式にそれも受け付けている。つまり提携会社を確保して仕事を流す、というテクニックがやたらと応用が利くものだったのだろう。
最近では「チラシをデザインして印刷して新聞折込に入れておいて!」から「チラシをデザインして印刷してダイレクトメールで発送しておいて!」にまで対応している。たぶん利用者から見て「ラクスル」は、印刷会社として見るというより……そう、自分が「楽する」ために利用する会社として見ないと、いけないんだろうなあ。