「アスクル」
出典元、事務用品通販大手「アスクル」の会社名より。アクスルではなく、「アスクル」。
こういった会社名は、見る人にいかにゲシュタルトを崩壊させるかが肝になっている。つまり、明らかに日本語をそれっぽいカタカナで英語っぽくしているだけなのにも関わらず、シンプルでスタイリッシュな英語風社名に見せてしまうという手法である。「アスクル」はなかなかそれに成功している会社だと言えるだろう。「アスクル」が「明日来る」から来ているのは公式でも認めているので、ダジャレネーミングたるもの、悪びれる事もなくドヤ顔で使ってこそダジャレネーミングである。しかし案外気付かない人は気付かないので、使い始めて5年目ぐらいに「ハッ……!」と気付いた時、周りに知ってたかを聞くのが恥ずかしいタイプの名前だとも言える。
「アスクル」は、オフィスで必要になる消耗品を中心とした事務用品を取り扱っている通販会社である。主として企業を顧客としており、オフィスで「A4の紙がなくなった!」などの時に非常に頼りになる存在である。ぶ厚いカタログをとにかく配りまくって、絨毯爆撃で顧客を吸い上げる通販生活みたいな営業方針を採っているが、普通に便利な存在なのでたくさんの企業に使われている。タウンページみたいなカタログは写真付きで見応えがある上に、注文のしやすさにも配慮して作られているため、長年の経験を生かしたそのデザインは非常に完成度の高いものとなっている。ホームページにもカタログはあるが、こちらは歴が短いだけあって、そこそこにそれなりである。
「アスクル」の最大の売りであるところの「明日来る」は、よっぽどの事がない限り本当に明日来るサービスであり、全国に7拠点あるという物流パワーを生かして本当に素早く届けてくれる。というか、オフィスでよく使っている総務の人などには、「午前11時までに注文すれば当日届くし~」という認識も広まっていたりする。注文したら「明日来る」事が凄いのは確かだが、注文したら「今日来る」のはもっと凄い。お届けは夕方ぐらいという事で、当然ながら一般的なオフィスの閉まる18時までには届けてくれる訳で、今日の今された注文の内容をすぐさまピッキングして梱包して 届けに行ってしまうというのは、比較的神技と言っていいだろう。全国どこでもという訳にはいかないだろうが、さすがにこれを基本ラインとして動いているサービスは、いざという時に頼りになる。
「アスクル」の扱っている商品の守備範囲は事務用品以外にも広がっており、食品から飲料、生活用品からペット用品、無印良品まで扱っている。災害発生の事を考えて事務所に備蓄品を用意している企業も増えているため、それ用の需要を満たすべく展開しているのだろう。社員が駆け回ってそういった品を用意するのもいいが、いつもの通販がなんでも取り揃えているとなると、買うのも楽だし支払いもいつものだし、商品は明日来るしいいことずくめである。アマゾンみたいになんでも扱う様になって欲しい、というのはちょっと違うが、需要は敏感に察知しているだろうし、「アスクル」、便利な存在であって欲しいものである。
……。
え、無印良品?