「……若干おれが?」
出典元、ラジオ「伊集院光 日曜日の秘密基地」より。若手芸人、桐畑とおるの発言。
若手芸人と言っても別に若くは無い、のはよくある話で……。中堅若手芸人、と言うと若手というほどには若くないがそこそこ売れている芸人、に聞こえてしまうのでそれも語弊がある。桐畑とおるは売れない若くもない芸人である。強いて言うなら伊集院光ファミリーの一員か。
さて、前後の細かいやり取りは忘れたが、伊集院光から桐畑とおるに、なにかやってもらおうという話になった際に、桐畑とおるが放ったセリフである。もちろん、言葉の使い方としては間違っていて、なんじゃそりゃ状態な上に、ボケようとして言ったのではない可能性がかなり高い。憶測になるが、桐畑は「若輩者であるおれなんかがやっていいんですか?」という様なニュアンスの事を言いたかったのだろう。しかし「若輩者」が思い浮かばず、咄嗟になんとなく近い単語の「若干」を選んでしまった。桐畑とおるもたまのラジオ出演、伊集院光は先輩だし、待たせちゃいけない。会話のテンポもある。
そして飛び出してしまったのが「……若干おれが?」である。
桐畑とおる「……若干おれが?」
伊集院光「若干じゃねーよw」
この、なんとなく言いたいことは伝わるけど単語のチョイスがちょっと違う、でもまあ伝わる、”でもおかしい”感。思わず出た伊集院光からのつっこみは「若干じゃねーよw」だったが、掘り下げるタイミングがあったとしたら、「言い方が変だろ」、「でも逆に面白いなおい」、という様な笑いを含む指摘になっていたと思われる。そのタイミングは無かったのでそうはならなかったが、しかし単品として見ても面白い。
敢えて言うなら、狙った訳ではなく、ズレた言い回しをした事によって期せずして会心のボケを放ってしまった貴重なシチュエーションではないだろうか。思い出してもジワジワ来る。なんだよ「若干おれ」って。しかし残念ながら、芸人的なネタにもしにくいし、応用が利く訳でもないし、派生もしにくい。「若干おれは桐畑とおるです」、……無理か。
ラジオの悲しさか、ネット上で文面でのソースは見付からなかった。伊集院光のラジオは録音している人が多いので、発掘出来たら実際の会話の流れを聴き直せるだろう。ここで書いている様な話の流れでは無かったかもしれない。そしてこの発言のあった番組は、「伊集院光 日曜日の秘密基地」ではなく前身の「伊集院光 日曜大将軍」だったかもしれない。発言者も、桐畑とおるではなく田代32だったかもしれない。間違っていたら、……若干申し訳ない。