「自分を追い詰めていくスタイル」
出典元、ネット各所。あるいは、もっと以前から存在する言い回し。
スポーツ選手などで”追い込みを掛ける”という言い方があるが、大会前にこれまでよりメニューを増やしたり負荷を増やして追い込みを掛ける事がある。最近では怪我などのリスクもあるため、あまり本人の判断でやるものではない事になっている様だが、特に疲れが残らないタイプのスポーツなら、直前に追い込みを掛けるのは有効な手段だろう。少し違うがボクシングの計量などでも、計量して即試合ではないので、ギリギリまで絞って計量をパスしたあと、体重を戻すなど僅差ではあるが頑張れる部分はある。しかしここで言う「自分を追い詰めていくスタイル」というのはどちらかというと精神的な面である。
と言うと格好いいが、最近ではネット上でギャグとして使われるパターンが多い。ゲームプレイ動画などで、「ここまでは余裕、ミスとかあり得ないし。あそこも楽勝。最後ぐらいかな運が絡むのは」と行った言い回しがそれに値する。「自分を追い詰めていくスタイル」である。あからさまだと視聴者にも伝わるし、むしろ自分で言う場合もある。つまりギャグである。実際は最初から最後までギリギリ崖っぷちの操作だったりする事も多い。
また、ギャグのギャグとしても使われている。類義語としては「ハードルを上げる」辺りだと思われるが、YouTuberなどが動画で、「今日は面白い事やりまーす」、などと言うのはいい。「これ超爆笑ものだから」、「過去最高かも」、「俺は次の次元に行った!」、などと自分で言ってから初挑戦したりする。これも「自分を追い詰めていくスタイル」である。前振り自体がギャグとして成立しているので、実際に初挑戦したとても面白いはずのものがとてもつまらなくても、まあある程度の成功は見ている。どちらも成功するのが最高ではあるのだが。
つまり「お約束」の域に達してしまったフレーズと言ったらいいだろうか。とにかくこれからやるぞやるぞ、という時に”自分から過剰に”周りを盛り上げるのが「自分を追い詰めていくスタイル」である。ネットで思い浮かんだのは上記のものなどだが、現実でもない事はないだろう。走り高跳びの選手がこれから跳ぶぞ、という時に観客に向かって盛り上げて、盛り上げて、とジェスチャーするシーンがあると思う。あれもまさに「自分を追い詰めていくスタイル」である。成功すればやらなかった時の何倍も格好いいが、失敗すればやらなかった時の何倍も恥ずかしい。やはり昔からある手口の様だ。プレッシャーに強い人向きのパフォーマンスである。