「お前が言うな」
出典元、ネット各所。普通の言葉でもあるが、ネットスラング気味に使われる事が多い。
意味はそのままである。ある不祥事を起こした事がある人が、数年後に別の人が起こした同じ不祥事のニュースに対してコメントを求められ、「あんな事をするなんて信じられない」などと言ったときのネットの反応である。そりゃあそう思うに決まっている。「お前が言うな」。なお、強い言葉なのでテレビなどで直接面と向かって使われる事はほぼない。しかしその時、ネット上では「お前が言うな」と、その略の「おまいう」が溢れている。だからネットスラング気味なのだろう。まあ、直接言えないだけでみんな思っている事、とも言える。
注目したいのはコメンテイターと呼ばれる職業である。もちろん不祥事がらみのネタを自分が起こしておいて批判するのはどう考えてもNGだが、コメンテイターという職業上、ある事象について以前は褒めていたのに今は非難している、という状況が存在する。特定の事柄に対しては一貫した方向性を持つ人は多いが、ニュースは多彩である。時間が空くと人の記憶は薄れてしまうのでごまかせると思っているのだろうし、実際多くの視聴者はごまかされている。「あれ、この人この件について逆の事言ってなかったっけ?」状態である。しかしそれに慣れてしまい、開き直ってしまう人も多くいて、月~金の帯番組などで昨日言った事を平気でひっくり返す人もいるから大したものである。「ん?」と思ってネットを見るとやはり「おまいうw」、「昨日と言ってること逆じゃねーかw」で溢れていたりする。いい加減テレビ局も、見た目やたたずまいでコメンテイターを選ぶのは辞めた方がいい。大事なのは頭の中身である。詐欺師ほど、紳士的であると言うではないか。
なお、非常に稀にだがポジティブな意味で使われる場合もある。スポーツ選手などで、自分の出した新記録について訪ねられ、「人間技じゃないっすね」などと答えた時がそうである。この場合、ネット上では賞賛の意味を込めて「お前が言うなw」、「おまいうwww」が溢れているだろう。コメントの素人であるスポーツ選手は期せずして天然を発揮してしまう事も多く、ゲスト解説などで他の選手のプレーに「すごいプレーですね」、「あれ彼にしかできないでしょう」とか言っておいて過去に自分がもっとすごい事をやっていたりする。これも「お前がwww言うなwww」であり、微笑ましい瞬間である。