「代表引退」
出典元、サッカー日本代表などの国を代表するチームに選出された選手が、選ばれること自体を今後辞退する事。ポジティブな感想もネガティブな感想も存在する。
サッカーも野球もそうだが、そもそも日本代表に選ばれる事自体が誉れであり、実力を認められた事の最大級の評価である。サッカーや野球はプロの中から選ばれるとはいえ、その人数を考えればピラミッドの頂点と言えるエリート中のエリートが選出される。4年ごとの大会だったりしたら、そもそも敢えて自分から「代表引退」なんて言わなくても、選ばれるかどうか分かったものではない。それは年齢的なものもあるだろうし、ケガなどのアクシデントも考えられるし、普通に実力が落ちる可能性も考えられる。なので悪い見方をすればこれは、「4年後はもうどうせ選ばれないだろうしこの辺で自分から格好良く引退して、ああ選ばれなかったんだなと周りから言わせない様にしよう」という手口である。代表選手へのリスペクトが足りないのでとりあえず謝っておこう。すいませんでした。
で、逆のポジティブな考え方もしておく。ポジティブと言っても引退は引退だが、とにかく毎回思うのが「熱くなった状態で物事を決めない方がいい、あと宣言とかもするな」という事である。人間、怒りの感情は6秒経つとそこから弱まって行くと言うが、負けた試合、終わった大会、やり切った直後、まだ体から熱も引いていないうちに、将来に掛けて決定的な事を決めてしまうのは危険なのである。もちろん、大会前から決めていた、年齢的に4年後はもう無理だしギリギリ行けるとしても後進に譲った方がいい、と判断していた人もいるだろう。ジダンの様に大会前から宣言までしていた選手もいる。しかし
その場の勢いで言ってしまった人もいるはずである。
そうなって来ると4年後、「あ、やっぱり俺、まだまだトップクラスじゃん。でも代表引退って言っちゃったしなぁ……」問題が発生するのである。本人の心ももやもやしてしまうし、周りのファンももやもやしてしまう。「なんであんた日本一の選手なのに、代表の選択肢に入ってくれないの……?」と。まあつまり後悔する様な決断は、テンションの上がったり下がったりした時でなく、平常時に落ち着いて、周りの人、せめて家族とも話し合って決めた方がいいと思うのである。「代表引退」宣言をする選手を見るたびに、そう思う。
ちなみに実際に撤回した人では、野球だが上原浩治が、かなり前に「代表引退」を宣言していたが、ここ最近のワールドベースボールクラシックでは「呼ばれたら行きたい」みたいな事を言っていた。ちなみに所属していたメジャーのチームに「めっ!」と言われてそれは実現しなかったが。やはりちょっと周りは「うぬっ」となってしまう。今現在の成績を考えると無理しなくていいよと言いたくなる人はいっぱいいると思うが、この人「国際大会無敗」という肩書きを持っている。25戦して0敗である。全盛期も意外と何回か来ているし、やはり初めの「代表引退」が早すぎた感は否めない。そういう意味でも、勝つためにはなんでもするべきという意味でも、やはりトップレベルの選手は、安易に「代表引退」宣言をしないで欲しいものである。