「おはようございます!」
出典元、日本の挨拶の言葉。朝の挨拶ではあるが、業務などでは午後でも夜でも出勤時にこれを固定で使用している場合が多い。
元気に挨拶する人がいると、聞く人も元気が出たりするものである。特に朝の憂鬱な気分を吹き飛ばしてくれる様な、大きく綺麗な声でさわやかに言ってくれる人がいるとヒーリング効果が高い。
しかし。
限度というものも、あるのである。問題は「おはようございます!」の「!」である。事務所に入り、中に居る人みんなに聞こえる声が「おはようございます!」ぐらいだとしよう。環境にもよるが先に居た人から「おはようございま~す」や「おはよう」の返しはあるとして、入って来た人の声がまず大きめなのは普通である。が、これが扉を入り直立不動で「おはようございます!!!」ピシッ! となると話が違ってくる。中にいる人の業務中断レベルである。返しは「お、おはよう~」や「おはようございます^^;」となるだろう。内心は「うるせーよ」である。「大きい声で元気に挨拶しよう」は間違ってはいないのだが、「常識の範囲内で」の注意書きも必要なのである。いや、普通は必要ないのだが、たまに独自の価値観を持っている人というのは居るので、そういう人にはちゃんと上から「ビビらせるレベルの大声を出さないでいいからw」の指示をしておくべきである。
あとたまにいるのが、会社とかでは無い、ちょっとした共有スペースでやたらと挨拶をする人である。目的は同じ人たちが集まっているものの、別にみんながみんな知り合い同士では無い。入り口でスタッフに挨拶するぐらいは普通だが、自分の通る場所場所で「おはようございます!!!」と挨拶を振りまいて通り過ぎて行く。知り合いやスタッフがいたら挨拶は返されるが、知らない人からは普通にスルーされる。しかしそんな事気にしない人だから空気を読まずに挨拶しまくってしまうのだし、そういう人ほど常識の範囲外で声が大きい。お前はここの支配人か。
さてひっくり返すが、「大きい声で元気に挨拶しよう」は小学校で習うものの、カテゴリー的に言えば考え方が比較的体育会系である。というか”大きい声で挨拶したくない人”もいるし、”大きい声で挨拶されたくない人”も普通にいる。主に朝の憂鬱な業務開始を、スロースタートしたいタイプの人は頭にガツンと来る挨拶を快く思っていない場合が多い。じゃあ挨拶しないかと言うとそういう訳では無く、つまり「小さい声で元気なく挨拶する」のである。具体的には「……あーっす」や「ござーっす……」など、必要な人に聞こえるギリギリでの挨拶である。それは、
失礼でなければ問題ないのである。
会社全体がそんな人の集まりなら誰からも文句は言われないし、むしろ心地良い環境と言えるだろう。別に一日中だらけた態度やしゃべり方で構わないと言っている訳では無い。朝の、ギアが低い時間帯ぐらい、かったるそうな態度で”やる事はしっかりとやり”、次第にギアを上げていけばいいのである。あくまで業務上差し支えなければであるが、差し支えないのならそれでいいし、上の者が問題としていないのならそれは問題とはならない。そしてそういう環境が定着している中に「おはようございます!」の人が入って来たとしたら、残念ながらひんしゅくを買う事になるのである。「おはようございます!!!」の人ならなおさらである。正解は一つでは無いし、その場の空気を読むのも重要な処世術である。