「グリッドデザイン」
出典元、ウェブデザインの手法の一つ。グリッドデザイン、もしくは”困った時のグリッドデザイン”。
グリッドデザイン。グリッドレイアウト、グリッドシステムとも呼ばれる。デザイン対象のページを格子状に分割し、ブロックを組み合わせる様にして配置を決めていく手法である。ウェブデザインで多く取り入れられており、記事が四角い絵になってたくさん並んでいるサイトはよく見掛けるだろう。ウィンドウサイズを調整すると、リアルタイムで組み替えられていくサイトも多い。パソコンと、スマホやタブレットなどへの表示を共通させるレスポンシブWebデザインと呼ばれる造りとも親和性が高い。しかし実はこれは、ウェブデザインだけに使える手法という訳でもない。
そう、普通のデザインにも非常に使える手法なのである。文章のかたまりをいくつかと、絵も大小いくつかにタイトルを付けて表紙的なデザインを作ろうとする場合、真っ白な紙を渡されてさあ下書きしろ、と言われても”はたと”考え込んでしまう人は多い。しかしここに、例えば正方形「□」の紙に「井」の形で線を引いてみると、その紙は一瞬で9マスの□が、……ん~~。絵で説明しろ!
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ただ真っ白で、どこにも取っ掛かりのない平地だと、アイデアを一つ置いてみるのにも苦労する。しかしこれを、
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格子状に分割してみると、こうなるだけで方向性が見えてくる場合があるのである。上の四角3つを使ってタイトルを入れて、文章のかたまりと絵は上下ひと組にして3つ作ろう、枠は白抜きにしてタイトル部分は繋げて……、といった具合である。アイデアの取っ掛かり、発想の取っ掛かりと言ったらいいか。あとは少しずつこの正方形を繋げたり戻したりする事でバランスが変わっていき、その段階ごとにアイデアの卵が生まれて来る。タイトルは繋げて、左のひと組はニュアンスを変えて薄くした絵の上に文章を載せよう、など……。
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もちろんグリッドデザインが完全なものというのではなく、あくまでもアイデアを生むための補助的な手法である。最終的に良い作品を完成させるとしても、初期の段階で真っ白な紙もしくはキャンバスもしくは新規作成(Ctrl+N)を目の前にして”とりあえず途方に暮れる”人は居るのである。途方に暮れる時間は産みの苦しみの時間でもあるが、人によっては3時間だったり3日だったり3か月だったりする訳で、それはつまりちょっとカンフル剤を入れた方がいいレベルの長さになるかもしれないのだから……。
古人曰く、”困った時のグリッドデザイン”。