「我々はこれを完成品とは認めない!!」
出典元、お笑いコンビ、ラーメンズのコント「不思議の国のニポン」より。小林賢太郎のセリフ。
ラーメンズは小林賢太郎と片桐仁の二人で結成されたお笑いコンビである。普通のお笑い芸人と違い、少し”演劇っぽい”コントをするという特徴があり、テレビでの露出が少ないので知る人ぞ知る存在となっているが、そのハイセンスな芸風から一部でカリスマ的な人気があるお笑いコンビである。非常に尺の長いコントを行ったり、必ずしも笑いに繋がらないコントをしたりと、その性質から舞台での「公演」をメインに活動している。ただし、今現在の活動状況は不明。
「不思議の国のニポン」は、日本の都道府県を上から順に面白おかしく紹介していくコントで、小林賢太郎が教師役となり、片桐仁が生徒役として教師のセリフをリピートする形で進む。掛け合いではなくリピートなので、もはやネタの余韻を楽しむための時間まで用意してあるという、知的コントである。こういったご当地ネタというのは、その土地の人だけが分かる内容だと笑いの届く範囲が狭くなってしまう。なのでこのコントでは、”その県と言えばあれだよね”という、まず日本人なら誰でも思い付く有名な要素をピックアップし、そしてそこに”笑って済ませられる程度の”ディスりを追加する事で、とても切れ味の鋭い笑いを提供している。なお、”その県と言えばあれだよね”って全部の都道府県に思い付くかな? と疑問が浮かぶかもしれないが、それもネタのうち、思い付かなそうな福島県、福井県、和歌山県は、なめらかに飛ばされている。酷い。
また、パッと思い付く様な特徴がなくても、周りから抱かれているイメージや、土地の特徴をいじったり、公式キャッチフレーズを引用したりと、このコントは本当に上手く都道府県を料理している。比較的やりたい放題でもあるのだが、それでいて滅茶苦茶面白いのが素晴らしい。ラーメンズのコントの中でも人気のあるものの一つと言えるだろう。
今回のセリフは名古屋県まで来た時に放たれた。名古屋県である。豊田、手羽先、味噌煮込みうどんと来て、そして銘菓「ういろう」である。
「なにこの半透明!?」
「柔らかいよ……」
「なにかの……素材です!」
初めて見た謎の物体に困惑している風に「ういろう」を観察する……。
「我々はこれを完成品とは認めない!!」
……!!
「ういろう」を知っている人なら分かる、あの気持ちをハッキリと言ってしまった。ああ、有名なお菓子ではあるけど、確かに凄く美味しいってほどでもないし、食感もちょっと不思議だし、ようかんに似てるし、言っちゃ悪いけど作るのも簡単そうだし、そして……”これまだ素材の段階で未完成なんじゃないの?” ……でも特産で銘菓って事になっててお土産にもなってるから馬鹿にしにくいよなぁ、……というもやもやした気持ちを代弁する大上段から真っ二つの超絶ディスりである。しかし、コントならではの”間”と”流れ”があって、完全にドッカンとした笑いを提供している。これはそれこそ「ういろう屋」でも笑ってしまうだろう。
ニコニコ動画では、この動画一番の弾幕シーンである。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。