言の葉の魔力

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ルビ・当て字

「”事故(ジコ)”る奴(ヤツ)は・・・・ ”不運(ハードラック)”と踊(ダンス)”っちまったんだよ・・・・」

投稿日:2019年5月7日

「”事故(ジコ)”る奴(ヤツ)は・・・・ ”不運(ハードラック)”と踊(ダンス)”っちまったんだよ・・・・」

出典元、原作:佐木飛朗斗、作画:所十三の漫画「疾風伝説 特攻の拓」より。鰐淵春樹(わにぶち はるき)のセリフ。

なお、「疾風伝説 特攻の拓」は「かぜでんせつ ぶっこみのたく」と読む。

”!?”

そして今回のセリフに関しては、……、

「”事故(ジコ)”る奴(ヤツ)は・・・・ ”不運(ハードラック)”と踊(ダンス)”っちまったんだよ・・・・」

と読む。

……。

……。

”!?”

ダンスっちまった、とは。

ま、このセリフに関しては、あまりにもあまりなため、かなり有名である。「特攻の拓」で最も有名なコマと言っても過言ではない。色々なところでパロディが作られ、「ダンスっちまった」ってなんだよw と多数のつっこみを受けた名ゼリフ、名ルビである。ただ、「特攻の拓」でもこれ以降の使用では「おどっちまった」になっていたため、この一回が誤植である可能性も指摘されている。さすがにこの読みは意味不明過ぎる。だがそれがいい。

「特攻の拓」は週刊少年マガジンで連載されていたヤンキー漫画である。当時はヤンキー漫画が流行っていたため、ジャンプやサンデー、チャンピオンなどの漫画雑誌にも一作品はヤンキー漫画があると言われていた。しかしマガジンに到っては当時、3作品同時に連載され、そのどれもが人気を博すという異常事態だった。ヤンキー漫画と言えばマガジン、という時代だったのである。「特攻の拓」と、「カメレオン」、そして「GTO」の前身の「湘南純愛組」がその3作品となる。しかし「特攻の拓」はその中でもひときわクセが強かった。

”セリフ回し”の”クセ”が”強過ぎ”る。

と、こうやって強調表示をすると読みにくく多少うざい訳だが、「特攻の拓」はそれをセリフに使用過多なほど入れて来る。もちろん初見だと「うわっ」となるのだが、話の内容が内容なのでイカレた不良の決めゼリフなどにとても良く合う。一種の発明……、いや、表現の魔改造と言ったらいいだろうか。調味料を入れ過ぎたら味が濃くなり過ぎてしまって、でも案外イケる味じゃん、みたいな受け止められ方である。そしてさらにルビで読み方の改変をガンガン入れて来るため、もはやなにがなんだか分からない、いや分かるけどクドい、クドいけどなんだか格好いい、という不思議な魅力を持った作品だった。メジャー雑誌に長期連載されていただけあって、知名度はかなりのものである。まあ、マガジンを買っていても読まない読者もかなりいただろうが……。

”!?”

さらにマガジンは雑誌の特徴として引きのコマで”!?”をかなり使っており、複数の作品で見られたが「特攻の拓」はその中でもひときわ多く、なにが”!?”なんだか”!?”分からない”!?”様相を呈していた。いや、ストーリーが意味不明という事はなかったので、つまりは装飾がやたらとゴテゴテしていて食傷気味になりそうな、味の濃い作品だったという事だろう。キャラも立っていて魅力的だった。”誰が一番ケンカが強いか”で読者が議論を戦わせるタイプの漫画である。ちなみに主人公の浅川拓(あさかわ たく)はヤンキー漫画の主人公のくせに弱いキャラなので、最強論争に名前は挙がらない。弱いというか、”実は弱い”というか。ケンカにはラッキーマン的な勝ち方をするが、”実際は弱い”という漫画的なキャラである。これは前述の「カメレオン」と同じで、ヤンキー漫画にしては珍しい、……と思ったが意外とそうでもないかもしれない。

”!?”

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