「自分の体の事は自分が一番分かっている」
出典元、日常生活やドラマなどで使われる事のあるセリフ。ある意味死亡フラグ。
主に体を心配された人が、心配してくれた人に医者にかかりたくないからと反論する際に使うセリフ。そしてそれは往々にして間違っており、大した事ないと思っていた症状は重度であり、今だけと思っていたものは長期に渡り影響の出る病状となる。「自分の体の事は自分が一番分かっている」はずがない。素人である一般人が、自分の体なら分かると言って把握出来るのなら、医者は要らないからである……。
分かりやすいところでは「医者嫌い」というものがある。心配してくれる人が言うのは「お医者さんに看てもらった方がいいんじゃない?」なのだが、それに全く聞く耳を持ってくれない。ものすごく軽度な症状から医者にかかろうとする人もやや面倒だが、明らかに重病や、大けがをしても絶対に医者に行かない人というのが存在する。昔ながらの頑固親父に多い印象だが突然変異的に若者や女性でもたまに存在しており、謎度の高い性格である。他人に体を見られるのが嫌なのかもしれない。死ぬより。
不思議なのは、最新の科学技術は信用しているくせに、自分の健康の話になるとなぜか科学的根拠よりも自分の勘が上に来る点である。さすがに外傷なら担いででも病院に連れて行かれるが、外面に変化が見えにくい病気だと異常を他者が見付けにくいため、本人が「まあ大丈夫だろう」と勝手に判断して事態は悪い方向へ進んで行く。家族が異常に気付き、「お医者さんに看てもらった方がいいんじゃない?」と言うのだが、それへの返事が「自分の体の事は自分が一番分かっている」なので始末が悪い話である。大病や死につながるため、本人も当然困るのだが、周りへの迷惑度も高い。
しかし結局一定以上のつらさ、苦しさになると医者に頼る事になるので、その場合事態は大ごとになっており、症状は同行した家族にもバレ、本人の謎のこだわりは因果応報となって返って来る。ただそのレベルになると恥ずかしさより苦しさが勝っているため、とにかくその苦しさから解放されるために、耐えるしかない。苦しい上に恥ずかしい上に周りからも責められるという三重苦となる。早いうちに医者にかかれ、という教訓である。お前の体の事は医者が一番分かっている。
身近にいない人でも、各種ドラマなどでそういうシチュエーションはたまに目にするだろう。やはり頑固親父に多いが、フィクションだと現実にも増してフラグを立てやすいセリフのため、そのセリフはブーメランとなって重病へとストーリーが進みやすい。視聴者においては「やっぱりな、そうだろうと思った」という感想だけでなく、教訓として受け止め、異常を感じた際はしっかり医者にかかって欲しいものである。
重度の「医者嫌い」は本当に明らかにしんどそうでも医者にかかろうとしない。本気でその人の事を考えてくれる家族すら説得しきれないパターンが多い事を考えると、多分死ななきゃ治らない。