「にしこり」
出典元、不明。どう見ても松井秀喜。
どう見ても松井秀喜。の、アスキーアートというか顔文字。そう、左向きの松井秀喜の顔で、「に」が右目で「し」が鼻、「こ」が左目で「り」が左耳である。声に出してみると「にしこり」だが、もちろん錦織圭とはなんの関係もない。音で感じるのではなく、目で理解する。しかしこれを一度脳が理解してしまうと、「にしこり」を見るたびに松井秀喜の顔が浮かんでしまい、迷惑。錦織圭を「にしこりけい」と記載する機会はあまりないが、「腹にしこりが……」などの表現で唐突に松井秀喜の顔が浮かび、やはり迷惑。一度認識してしまったものを忘れるのは困難なので、なかなかハイレベルな嫌がらせと言えるだろう。
特徴としては再現度の高さと、一行4文字で収まるコスパの良さか。アスキーアートは突き詰めればどんな絵でも再現出来るものになっている。しかし文字なのに案外再現が難しく、コピペしたのに歪んでしまう、行がずれる、といった事も多い。しかしこの「にしこり」であれば、まずひらがななので日本語環境ならどこでも出力出来るし、一行だと行間の支障もない。フォントによって多少見え方が違っても、逆に”いい味”が出るという利点まである。上下に頭や口などを追加した完全版があるのかもしれないが、この目線部分だけでこれだけの完成度を誇る顔文字もなかなかないだろう。スヌーピーもビックリである。
松井秀喜の説明が要るかが微妙だが、引退してそこそこ経ってしまったので知らない人も居るかもしれない。元プロ野球選手で、日本時代は巨人に所属し、その後メジャーに渡った。国民栄誉賞も受賞したレジェンド級の選手である。日本にいた最終年は打率.334にホームラン50本、107打点と胃に来る成績を残している。今の選手で言うと誰ぐらいかと言われると誰もいない。そりゃメジャーにも行くわ。そして2012年にメジャーで現役を引退し、現在もヤンキースの顧問的な立場でニューヨークに住んでいる。どこかのインタビューで語っていたが、日本にいるとすぐ声を掛けられてしまい、家族でどこに行っても落ち着けないから日本に戻らずアメリカに住んでいるそうだ。確かに街中で松井秀喜を見掛けたら人だかりも出来るだろうし、写真も撮られまくるだろう。
しかしこの顔文字、誰が考え出したものか。憶測となるが、故意に松井秀喜の顔を作ろうとして作り出されたものではなく、誰かがたまたまキーを打っていた時に「なんか今……、松井秀喜の顔が見えた!」と偶然見付けたのではないだろうか。可能性としては”しこり”の文字をキーで打つ機会の多い医療関係者があやしい。ものすごい巨人ファンの医者が診察中に、患者の「お腹のこの辺にしこりがあるんです」を聞いてパソコンに打ち込みながら、「なるほど、下腹部にしこり……(松井の顔だー!!)」と気付き、突然の発見とあまりの衝撃に動きを止めてしまう……、「先生、先生!?」といったシチュエーションを想像すると、面白くてたまらない。
本ページの情報は2023年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。